補足説明 「ガンマ線バーストと残光のシナリオ」


grbjet

上図:ガンマ線バーストの 光の放射源と考えられるジェットの模式図。

これまで観測されてきたガンマ線バーストと その残光の特徴を説明するのに、有力なモデルの1つが 「火の玉(fireball) モデル」です。火の玉モデルでは、まず最初に 「なんらかの原因で」超高エネルギーをコンパクトな領域にもつ「火の玉」 が産まれるとします。ここからいくつかの、光速に近い速度で膨張する プラズマ流(シェル shell) が噴出されます。このシェル同士が衝突し、 その衝撃波からはガンマ線が放射され、 それがガンマ線バーストとして観測されると考えられています。 その後シェルは周囲の星間ガスと衝突しながら、そのガスを衝撃波面に 掃き集めて減速していきます。この星間ガスとシェルとの衝撃波面 からの光が残光として観測され、 シェルの減速とともに暗くなっていくと考えられています。 現在では膨張シェルは等方的ではなくジェット状であるとする説が 有力で、従ってガンマ線バーストと残光のイメージは上図のように なります。このモデルによって、残光が時間のべきで減光していく 性質等が説明されます。最初の火の玉を生み出すものは依然明らかには なっていませんが、大質量星の崩壊や中性子星の合体等の説が有力です。



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