[Message Prev][Message Next][Thread Prev][Thread Next][Message Index][Thread Index]

[vsolj-alert 469] vsolj-news 024: SN 1999em in NGC 1637




                        VSOLJニュース  (024)

       ごく近傍の銀河NGC1637に出現した超新星1999em

                                         著者  :山岡均(九大理)
                                         連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

  10メガパーセク(10Mpc、およそ3000万光年)というと、かなりの距離に思わ
れるかもしれませんが、銀河の世界では近距離にあたります。アンドロメダ座
大銀河の距離の15倍ほど、最も近い銀河団であるおとめ座銀河団までの距離の
半分ほどで、この距離内にある大型の銀河はざっと百個程度にすぎません。そ
のような銀河のひとつ、8Mpcほどの距離にあるNGC1637に超新星が発見され、
1999emと名付けられました。

  IAUC 7292によると、10月29.44日(世界時)に、リック天文台自動撮像望遠鏡
によって、見かけの等級がおよそ13.5等という明るい新天体が発見されました。
この天体は、知らせを受けた北京天文台のグループによって間もなく(29.7日)
確認されています。世界的な連携が迅速な確認に役立っていることがわかりま
す。

  新天体の位置は、赤経4時41分27.05秒、赤緯-2度51分45.8秒(2000年分点)で、
母銀河の中心核から西に15秒、南に17秒ほどの位置にあたります。銀河はエリ
ダヌス座にある渦巻銀河で、今だと夜半頃に南中する見やすい天体です。超新
星は渦巻の内側の明るい腕の近くにあります。

  スペクトル観測から、この超新星は初期のII型と報告されています。膨張速
度がかなり早いことから、これからの変化が期待されます。周りに明るさの似
た星も多く、測光観測などが勧められます。

  10Mpc内の超新星としては、vsolj-news 015, 016で紹介した1999bw, 1999by
があります。前者は非常に暗いIIn型、後者は暗いIa型でした。今年は近い超
新星の当たり年と言えるでしょう。

[参考情報]

  発見画像:http://astron.berkeley.edu/~bait/1999/sn99em.html
  比較星など:
[vsnet-alert 3640] SN 1999em in NGC 1637
http://vsnet.kusastro.kyoto-u.ac.jp/vsnet/Mail/vsnet-alert/msg03640.html
[vsnet-alert 3641] Re: SN 1999em in NGC 1637
http://vsnet.kusastro.kyoto-u.ac.jp/vsnet/Mail/vsnet-alert/msg03641.html
[vsnet-alert 3642] SN1999em, available photometry standards
http://vsnet.kusastro.kyoto-u.ac.jp/vsnet/Mail/vsnet-alert/msg03642.html


							1999年11月2日

※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開
  等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典
  を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、
  VSOLJの速報メーリングリスト vsolj-alert にご加入いただくと便利で
  す。また、これらの天体についての科学的議論のためのメーリングリスト
  vsolj-sci もご利用いただけます。購読・参加お申し込みは
  vsolj-adm@ooruri.kusastro.kyoto-u.ac.jp まで。
  なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。

VSNET Home Page

Return to Daisaku Nogami


vsnet-adm@kusastro.kyoto-u.ac.jp