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[vsnet-j 2675] Historical document: BHs in binaries



Historical document: BHs in binaries

 その昔、某所で紹介した文書ですが、今となっては新しい人はほとんど読めない
 ようなところに行ってしまっていると思われますので、文書が見つかったところ
 でその都度紹介していきたいと思います。内容は古いものも多いので、その点は
 考慮して読んでください。一部当時関係した人名が出てくるところもありますが、
 ご了承ください。

#これは何に分類される文書なんだろ? 深く追求してはいけない(^^;)

(1992/10/12)

 Cowley による「連星中のブラックホール存在を観測的に立証するための必要条件」
は次のようになっています。

 1.強いX線輻射を伴うこと
 2.光学的に確実に同定されていること(X線と可視光の変動が相関しているなど)
 3.視線速度観測などによって、見えない天体の質量が決定されていること
 4.光度変化などの観測によって、連星の質量比が決定されていること

(3.4.はもちろん、そのようにして求められた質量が中性子星の質量上限を越え
 る−例えば3太陽質量−という意味です)

 現在のところ、X線の輻射のスペクトルや時間変動からは、確実にブラックホール
(に相当する質量を持つ天体である)と判定することはできません。(もちろんブラ
ックホールでないことは簡単に否定されることはあります。例えば周期的なパルスが
観測されるなど) 上のような条件を満たす、「ブラックホールである可能性が非常
高い」天体について、それがどのようなX線の振舞いを示すか、というのが活発に研
究が進められているテーマです。

 同著者によると、ブラックホール候補連星としては次のものが挙げられています。
 名称       タイプ  軌道周期(日) 視線速度観測
 (part 1)
  LMC X-3      P        1.7             abs
  V616 Mon     T        0.32            abs, em
  Cyg X-1      P        5.6             abs
  LMC X-1      P        4.2             abs
  CAL 87       P        0.44            em

 (part 2)
  0142+61      P        0.02
  Nova Mus '91 T        0.36/0.43       abs
  1543-47      T
  1630-47      T
  V821 Ara     P        0.62            abs    (=GX339-4)
  V2107 Oph    T
  1743-322     T
  V4134 Sgr    P        0.18
  V1343 Aql    P       13.2             em     (=SS433)
  V1408 Aql    P        0.39
  QZ Vul       T        0.34?
  V404 Cyg     T        6.45?           abs

 タイプ:X線で P (persistent; いつも明るい)  T (transient; いわゆるX線新星)
 視線速度: abs(吸収線=伴星の運動), em(輝線)

 (part 1)の方は比較的確立されたもの(CAL 87については最近また違う説も出てい
ますが)、(part 2)の方は「ブラックホールであると提唱されつつも、確証の少ない
もの」がかなり含まれています。(part 2)の中でも V404 Cygはかなり確実性が高いと
思われます。

 連星の中にブラックホールが存在するということをどのくらい確証を持って言える
のか、興味のある方は次を読んで見られると面白いかと思います。

参考文献:
  "Evidence for Black Holes in Stellat Binary Systems"
    Annu. Rev. Astron. Astrophys., 1992, 287-310
    A. P. Cowley


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