Historical document: BHs in binaries
その昔、某所で紹介した文書ですが、今となっては新しい人はほとんど読めない
ようなところに行ってしまっていると思われますので、文書が見つかったところ
でその都度紹介していきたいと思います。内容は古いものも多いので、その点は
考慮して読んでください。一部当時関係した人名が出てくるところもありますが、
ご了承ください。
#これは何に分類される文書なんだろ? 深く追求してはいけない(^^;)
(1992/10/12)
Cowley による「連星中のブラックホール存在を観測的に立証するための必要条件」
は次のようになっています。
1.強いX線輻射を伴うこと
2.光学的に確実に同定されていること(X線と可視光の変動が相関しているなど)
3.視線速度観測などによって、見えない天体の質量が決定されていること
4.光度変化などの観測によって、連星の質量比が決定されていること
(3.4.はもちろん、そのようにして求められた質量が中性子星の質量上限を越え
る−例えば3太陽質量−という意味です)
現在のところ、X線の輻射のスペクトルや時間変動からは、確実にブラックホール
(に相当する質量を持つ天体である)と判定することはできません。(もちろんブラ
ックホールでないことは簡単に否定されることはあります。例えば周期的なパルスが
観測されるなど) 上のような条件を満たす、「ブラックホールである可能性が非常
高い」天体について、それがどのようなX線の振舞いを示すか、というのが活発に研
究が進められているテーマです。
同著者によると、ブラックホール候補連星としては次のものが挙げられています。
名称 タイプ 軌道周期(日) 視線速度観測
(part 1)
LMC X-3 P 1.7 abs
V616 Mon T 0.32 abs, em
Cyg X-1 P 5.6 abs
LMC X-1 P 4.2 abs
CAL 87 P 0.44 em
(part 2)
0142+61 P 0.02
Nova Mus '91 T 0.36/0.43 abs
1543-47 T
1630-47 T
V821 Ara P 0.62 abs (=GX339-4)
V2107 Oph T
1743-322 T
V4134 Sgr P 0.18
V1343 Aql P 13.2 em (=SS433)
V1408 Aql P 0.39
QZ Vul T 0.34?
V404 Cyg T 6.45? abs
タイプ:X線で P (persistent; いつも明るい) T (transient; いわゆるX線新星)
視線速度: abs(吸収線=伴星の運動), em(輝線)
(part 1)の方は比較的確立されたもの(CAL 87については最近また違う説も出てい
ますが)、(part 2)の方は「ブラックホールであると提唱されつつも、確証の少ない
もの」がかなり含まれています。(part 2)の中でも V404 Cygはかなり確実性が高いと
思われます。
連星の中にブラックホールが存在するということをどのくらい確証を持って言える
のか、興味のある方は次を読んで見られると面白いかと思います。
参考文献:
"Evidence for Black Holes in Stellat Binary Systems"
Annu. Rev. Astron. Astrophys., 1992, 287-310
A. P. Cowley

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