Historical document: T Pyx その昔、某所で紹介した文書ですが、今となっては新しい人はほとんど読めない ようなところに行ってしまっていると思われますので、文書が見つかったところ でその都度紹介していきたいと思います。内容は古いものも多いので、その点は 考慮して読んでください。一部当時関係した人名が出てくるところもありますが、 ご了承ください。 (1992/06/30) 論文紹介:T Pyxの軌道周期 "The Photometric Period of the Recurrent Nova T Pyxidis" Ap. J. Sup. 81, vol 1 (1992) Bradley E. Schaefer, Arlo U. Landolt, Nikolaus Vogt, David Buckley, Brian Warner, Alistair R. Walker and Howard E. Bond まだAbstractしか見ていないのですが、紹介を。 T Pyxは数少ない反復新星の一つで、その中でも特に、通常の新星と同じように 連星中の白色矮星表面での熱核反応の暴走が爆発機構と考えられているものです。 (他には U Sco, V394 CrA, Nova LMC 1990 No.2 の3星があります) 1986-1990年のBバンド測光1713点から、2時間のオーダーで0.09等の変動が 存在することが明かになっていますが、数日以上をおくと位相が揃わず、精密な 周期は求められないのだそうです。それでも1晩のうちのその周期の変動は有意 性が高いので、最も確からしい周期を求めてみると0.07737または0.07616日とな ったそうです。近々新星爆発が期待されるこの星で、爆発における軌道周期の変 化を検出して、爆発における物質の放出量を求めようという試みは残念ながら果 たせないようですが、新星のなかでこのような短い軌道周期は珍しいものです。 (分光連星としての周期を求めるのは現在の技術でも容易でないとのことです)
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