Historical document: V517 Oph, T Pyx, AQ Eri その昔、某所で紹介した文書ですが、今となっては新しい人はほとんど読めない ようなところに行ってしまっていると思われますので、文書が見つかったところ でその都度紹介していきたいと思います。内容は古いものも多いので、その点は 考慮して読んでください。一部当時関係した人名が出てくるところもありますが、 ご了承ください。 (1992/07/03) さて、Publ. VSS RASNZ の記事で興味深かったものと言えば、 "Visual Variations of V517 Ophiuchi" A. F. Jones V517 Ophは G.HerbigがRCB型変光星ではないかと指摘していた星です。日本では 観測していたという話はないようですが、ニュージーランドでは、1957年から観測 されていたようで、極大等級は12.0-12.2(時に11.5等に達する)で、かなり高頻度 で減光を示し、Jonesの望遠鏡では見えなくなったとのことです。減光のパターンは S Aps(南半球の星の名前ではわからないよ)に似ているとのことです。 これは観測をせねば! 特に、大口径の牧口さんよろしく。 "The Recurrent Nova, T Pyxidis" F. M. Bateson, R.McIntosh & D. Brunt 近々に迫った次回増光に備えて、前回増光(1966年)の光度曲線です。最初の発見の 12.9等から9.2等へは1.85日しかかからなかったのに、8.0等まではさらに2.09日、 その後はゆっくり増光してJD 2439501に最大光度6.45に達したということです。 10等ぐらいまではゆっくりと減光していますが、その後12等には比較的速く減光し 12等前半で長く過ごしたということです。 "The Super Maxima of AQ Eridani -- A SU UMa Variable" F. M. Bateson, R.McIntosh & D. Brunt 日変研が「変光星ブレテン」に発表したスーパーハンプの報告を受けての近年の光度 変化のまとめです(これが書きたかっただけだったりする)。Batesonも長い増光と 短い増光があることには気が付いていたようですが、日変研の誰かさんとは違って慎 ましいお方のようで、SU UMa型とは断定されなかったようです。スーパーアウトバー ストの間隔は161-533日、平均的には300.4日ではないかと述べています。今年正月に スーパーアウトバストがありましたので、秋に期待というところでしょう。通常の短 い増光の周期は平均44日とのこと。 * この雑誌の記事を見ると、Batesonばかりが書いているようです。ごく当り前の UG型の増光統計でもちゃんとまとめてあり感心します。また近々話題となりそ うな星も前回の状況をまとめておくなど、なかなか備えがいいですね。 現在の各星の状況をトピックス的に把握することも大切ですが、過去の動向を常 にまとめ直しておくことも、観測の原動力として重要なものだと思います。 日本の変光星観測もやりっぱなしでなく、ちゃんとまとめなくてはいけませんね。 * RASNZには年間15000目測を越える報告を寄せる人が二人います。 Jones と Overbeek、どちらも反復新星の発見などで有名な方です。
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