Historical document: EY Cyg その昔、某所で紹介した文書ですが、今となっては新しい人はほとんど読めない ようなところに行ってしまっていると思われますので、文書が見つかったところ でその都度紹介していきたいと思います。内容は古いものも多いので、その点は 考慮して読んでください。一部当時関係した人名が出てくるところもありますが、 ご了承ください。 (1992/07/03) ということで、 「変光星の過去の動向を正しく把握することは、観測を行う第一歩」 をモットーにまとめてゆくのも、一つの重要な方向ではないかと勝手に決めて・・ -- EY Cygni -- この星ははくちょう座で2番目に明るいUG型(だと思う、1番目は言わずと知れた SS Cyg)で、1928年Hoffmeisterの発見によるものですが、ちょうど l'Astronomie (Juin 1992) 誌に過去の極大リストがありましたので引用しておきます。 1927.09 Hoffmeister, Jacchia 1930.07 Jacchia 1935.05 Koyama 1948.01 Ch. Bertaud 1953.03 Ch. Bertaud 1979 AAVSO etc 1986.08 many 1992.03 many たったこれだけ。というのもちょっと驚きで(SW UMaなんかこの3倍ぐらいあった のではないか)、"rare outburst"と言われるだけのことはあります。本格的なモ ニターが始まってから1979,1986,1992の3回しか増光が捕らえられていません。 これを見ると、かつてGCVSで書かれていた240日というのは全くの誤りのよう です。あまりに増光が少なくて、この値が誤っていることすら誰も指摘できなかっ たのではないかと思います(1986年の増光の時は本当にそうだった) この数列から次の極大を予測してみられるのもおもしろいでしょう。1992年の増光 は明け方の空であったため、残念ながらあまり注目を集めなかったようですが、最 大光度11.4等に達しました。 l'Astronomieの今号は最近の新星ラッシュに驚いてか、ずいぶんとこの分野の話題 が多いです(Verdenetが書いているのだから当然か)。名前だけ挙げるとUV Per, Nova Cyg 1992, SW UMa, CH UMa, EY Cyg。また星座案内のところでは有名な新星 のDQ Herが出ていて、食の眼視観測の例が出ています。
Return to the Powerful Daisaku Nogami
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