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[vsolj-alert 297] vsolj-news 013: nearby SNe in these days



                        VSOLJニュース  (013)

         近傍銀河に出現した3つの超新星

                                         著者  :山岡 均(九大理)
                                         連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

  同じ種類の天体でも、近いものほど明るく見え、よりくわしく調べることが
できます。太陽の数億倍もの明るさになる超新星でも同じことで、近くの銀河
に出現したものはよりくわしい観測の対象となり、超新星の性質がよりよくわ
かることになります。

  3月末から4月上旬にかけて、比較的近距離に3個の超新星が出現し、現在も
中口径程度の望遠鏡で観測可能な明るさで輝いています。3つとも、太陽の10
倍程度以上の重さの星が生涯を終えるときの爆発であることがわかっています。
いずれも、私たちから最も近くにある銀河団(おとめ座銀河団)と同じくらいか
せいぜい倍の距離にあるものです。今回は、これらの超新星の紹介をさせてい
ただきます。

  ひとつ目は、おおぐま座のひしゃくの桶の北側にある棒渦巻銀河IC 758に出
現した超新星1999bgです。3月28日にリック天文台の自動撮像望遠鏡で発見さ
れたこの天体は、銀河の南西側の腕の中にあって、発見時からずっと15等級台
半ばで輝いています。この銀河は、渦巻部がやや暗く、超新星と見間違えそう
な星もないため、見つけやすい存在です。

  ふたつ目は、おとめ座の棒渦巻銀河NGC 4900に現われた超新星1999brで、4
月12日にやはりリック天文台グループが発見したものです。この銀河は、渦巻
を真上から見ている形ですが、渦ははっきりせず、星生成が起きるH II領域が
点々と見えるような銀河で、ちょっと見た感じでは惑星状星雲のような形をし
ています。超新星の現在の明るさは17等台と暗いのですが、銀河の距離からす
ると14等程度まで明るくなる可能性もあります。超新星のすぐ南西には、11等
級の星があり、超新星を見つけるよい目安となっています。

  みっつ目は、へび座の尾の部分にある銀河UGC 11093で起きた超新星1999bs
で、同じく4月12日に北京天文台の超新星捜索グループが発見したものです。
この銀河は渦巻をほぼま横から見ているものですが、超新星の位置は銀河の中
心から角度の3分近く離れており、見えている銀河の領域よりずっと外にある
ように見えます。銀河の距離を考えると、超新星と銀河の中心との距離は
25kpcにもなります。これほど銀河の外で重い星が生まれるというのはあまり
ないことなので、その正体は興味をそそられます。現在の明るさは16等台で、
銀河面に近いため手前の星が多数あって、超新星を見いだすには注意が必要で
す。

これらの超新星の位置など、詳しい情報(英語です)は、

http://vsnet.kusastro.kyoto-u.ac.jp/vsnet/SNe/SNe.html
http://vsnet.ggw.org/asras/supernova.html

などで御覧いただけます。

							1999年4月16日

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