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[vsolj-alert 273] Re: GK Per outburst



Re: GK Per outburst

 ちょっと古いですが、日本変光星研究会「激変星資料集」よりの情報は以下の通
りです。

GK Per =Nova Per 1901          NA+NLDQ+DN     0.2-14.0v
 1901年2月21日に2.7等星としてAndersonにより発見される。その後0.2等まで増光。
t3=13。時々(1986年末のように)増光を見せるが、一種の/契瑛輿光であるとさ
れており、再発新星というわけではない。新星爆発の後しばらくは現在の光度より
暗く、小増光も見られなかった・・と伝えられている。最近の測光で、小増光時に
短いtime-scale(数十分)で0.5等も変光することが報告されているが、原因ははっ
きりしない。また小増光に先立ってX線強度が増加することが知られており、
accretion discの内側からdisc instabilityが始まり、DQ Her型の主星へ落下する
ときにまずX線が出て、その後disc外部へinstabilityが広がっていくので増光がゆ
っくりであると説明されている。軌道周期は約2日と激変星としては例外的に長く、
進化が進んだ伴星を持つ。なお増光に周期性があることが指摘され、400日程度
で増光している。
1916-1947は不規則な変光であったが、以後は1948,1949,1950,1970,1973,1975,1978,
1981,1986,1992とDN増光をしている。

920707
 前回の増光は1989年7月にあり、「天文ガイド」1989.11 p.162 変光星近況によれ
ば、13.0-13.2(7/1-13) 12.6(7/24) 12.2(7/25) 12.0(7/27) 11.5(7/28) 11.2(7/30)
と変光しました。今回ももし増光途中であるならば、この後1週間程度で最大光度
11等程度に達するものと予想されます。
 なおこの星は矮新星としては、周期3年程度で増光を繰り返し、増光がゆっくり
という、EY Cyg(#210参照)に良く似た変光を示します。
  さて、お待ちかねこの星の過去の変光ですが、1901-1982の光度変化については
Sabbadin and Bianchini (1983) がまとめており、これに1983年のアウトバースト
を加えて Bianchini et al. (1986) が解析しています。
 これらによると、GK Perの爆発後の変光は以下のようにまとめられそうです。
1)1916年、極小光度mv=15等に達した。(これは連星を形成する星本体のみの光度
に近いものであろう。現在の静穏時の光度は約13等なので、星本体に比べて現在の
降着円盤がいかに明るいものかわかる)
2)1920-1930年代には、14.2-12.0等の範囲を典型的な周期として40,80,400日で
ふらついていた。この期間系の光度は次第に上昇、1940年代には13等を下ることは
ほとんどなくなった。
3)1948年以降、非常にゆっくりと減光。矮新星型の増光を示し始めた
4)増光間隔は400±40日の倍数で起きているらしい。
5)その他に、7-8年周期のゆっくりした変動があるように見える。
 増光の分類
 矮新星、例えば SS Cygと同じように、アウトバーストにはいくつかの種類がある
ようです。SS Cygの場合にはアウトバーストの継続時間は変化するものの、最大光度
はさほど変化しないのに比べ、GK Perでは最大光度がかなり変化することが特徴的
です。果たして今回のはどの分類に属するでしょう?(分類型はBianchini et al.
1986
による)
1)small(S)型 : 増光振幅 1.0等 例)1973, 1978
2)medium(M)型: 増光振幅 2.0等 例)1946, 1966, 1970
3)large(L)型 : 増光振幅 3.0等 例)1975, 1981
4)wide(W)型  : 増光振幅 1.0等、極大継続時間は30日に及ぶ
        例)1967 (1948, 1950も可能性あり)
 完全な増光リストについては論文を見いだせていませんので、どなたか資料をお持
ちの方、調査していただければ幸いです。1989年の前の増光は1986年にありました。
 連星系(激変星)としての特徴
1)連星の公転周期が1.996803日と激変星のなかでは特に長い。同様の周期を持つ例
は反復新星のU Sco程度しか知られていない。
2)強いX線源(A0327+43)である。またX線で周期351秒のパルスがみられ、これ
らの特徴は、強い磁場を持った白色矮星を主星に持つ激変星(351秒は白色矮星の自
転周期と考えられる)で、白色矮星の自転と連星の公転運動が同期していないタイプ、
"intermediate polar"(中間ポーラー)に由来するものと考えられる。
このようなこともあって、X線天文衛星の観測では強い磁場を持った白色矮星への
降着メカニズムを調べるために、かなり注目されている星です。1989年の増光の時
にも「ぎんが」衛星が観測をしています。矮新星増光理論で期待される降着円盤の
不安定性の発現と白色矮星への降着がどのような時間間隔で起こるかは、観測の一
つのポイントです。そのため可視光での立ち上がりがいつであったかを決定するこ
とは理論的にも重要な意味を持ちます。今回・前回ともに光学観測には条件が悪い
(特に日本では)位置だったので、初期過程については詳しく調べられていないよ
うです。
References:
Bianchini, A., Sabbian, F., Favero, G.C., and Dalmeri, I, 1986,
  Astron. Astrophys., 160, 367
Patterson, J., 1991, Publ. Astron. Soc. Pacific, 103, 1149 (可視光でのP=351
秒など短時間変動について)
Sabbadin, F. and Bianchini, A., 1983, Astron. Astrophys, Suppl. 54, 393

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