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[vsnet-j 872] Re: Kyoto slew survey



吉田誠一です。

加藤さん [vsnet-j 863]:
> > PIXY 1 の場合は、これくらい画像サイズが小さいと過剰検出していましたが、
> > PIXY 2 ではそれは抑制されています。また、星像が伸びていますが、その影
> > 響はほとんど現われていません。
> 
>  すばらしいです。これならば十分実用に耐えそうですね。

星が伸びている、という話からは逸れますが、最近は、どういう方からどうい
う画像を頂いても、

  ・20等より明るい星が写っていなくて、USNOと比較できない。
  ・球状星団しか写っていない。
  ・星が5個以下しか写っていない。

ということでもなければ、まず95%以上の確率で検査できる自信が付いてきま
した。PIXY 1 の時もそれなりに検査できたのですが、PIXY 2 の開発では、単
なる PIXY 1 の移植ではなく、結構処理も改良してきました。それに、何より
もう2万枚も検査した経験がありますから。

>  これから提供する領域に、いろいろな密度の部分が含まれていると思いますの
>  で、試していただければすぐ判明しそうですね。

PIXY の開発は、当初から精度よりも、自動化を念頭に置いたタフさ、
capacity の広さを最重要課題としてきました。例えば、

  http://vsnet.aerith.net/comet/catalog/1996B2/pictures-j.html

にある、久保庭さんや宮崎さんのメトカーフ追尾された3月下旬の百武彗星の
写真をキャプチャーして、これでマッチングが成功するかどうか、が、初期の
頃やっていた実験でした。

そのため、多少星が伸びていたりする程度なら、マッチングまではほぼ確実に
成功します。ただ、その後で精度を追い込んだり、極限等級を定めたりする箇
所で、失敗してしまったり、星の軌跡が複数に分割されてしまったりして、最
終結果はなかなかうまくいきません。

>  いや、本当に MISAO project に提供する、というアイデアで始まったものでした。

それはめちゃくちゃ嬉しいです。

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吉田 誠一 / Seiichi Yoshida
comet@aerith.net
http://vsnet.aerith.net/index-j.html