Historical document: GRO J0422+32 その昔、某所で紹介した文書ですが、今となっては新しい人はほとんど読めない ようなところに行ってしまっていると思われますので、文書が見つかったところ でその都度紹介していきたいと思います。内容は古いものも多いので、その点は 考慮して読んでください。一部当時関係した人名が出てくるところもありますが、 ご了承ください。 (1992/08/20) えらいことです、やっぱり大事件!! "gamma-ray transient source GRO J0422+32" 今9時になってやっとIAUCを入手できたのですが、この天体はどうもブラック ホール連星候補と言われるX線新星の仲間のようです。IAUC 5588 によるとパロマ ー星図に対応する天体はなく、爆発の幅は7等以上と、低質量X線連星の仲間であ ることは間違いなさそうです。また、IAUC 5587 にもあるように、ガンマ線で周期 成分は受からず、X線パルサーのような天体ではないと考えられます。IAUC の "QPO の兆候はない" という記述はブラックホールであることを示唆しているものと 思われます。 IAUC 5588 によると、On Aug. 15.01 UT には、B = 13.25 +/- 0.3, B-V =+0.66 +/- 0.3, V-R = +0.76 +/- 0.3. と、少し赤化を受けているようです が、V404 Cyg ほどのことはありません。 いずれにせよ、この天体は最近最も確実なブラックホール連星候補と言われている V404 Cyg, V616 Mon と同種の天体で、観測が望まれます。平常光度が暗いことか ら軌道周期は V616 Mon のように、1日以下ではないでしょうか。 以前紹介した「X線連星のスーパーハンプ」にもありますように、この天体に周期 的変光が観測されれば(上で書いたように多分周期は1日以下だと思いますが、 (V404 Cygのように軌道周期1週間という天体もあって、楽観はできませんが) これはこの天体の中心天体がブラックホールである強い証拠を与えることになり ます。今この天体をCCDなどで連続して撮像(例えば数分の露出を見えている 時間ずっと)すれば、日本の位置(北半球の天体なので、日本の経度にはあまり 天文台がない)を考えると(連星の周期が数時間以上であるだろうことも考慮し て)それこそ最終結論を左右しかねない超一級の重要な資料が得られることと思い ます。V404 Cygで見られた10分程度の時間変動も見られるかも知れません。 資料をさっと読んで書いているので間違って読んでいるところがありましたら、お 許し下さい。天気もともかく大宇陀はCCD修理中なので観測ができないので、み なさんの観測ご協力をお願い致します。CCDで撮像する時には、同一視野に必ず 比較星が複数入るように設定してください。 測光はされなくても、ブラックホール?からの光を確かめてみませんか?
Return to the Powerful Daisaku Nogami
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