[Message Prev][Message Next][Thread Prev][Thread Next][Message Index][Thread Index]

[vsnet-j 2416] Re: rho Cas 2000



Re: [vsnet-j 2415] Re: rho Cas 2000

>  ところですみません。また教えていただきたいのですが、温度が下がって
> 酸化チタンが吹き出したんですか?いややはり酸化チタンを含む物質が吹
> き出して恒星表面をおおって温度が下がったんですよね。
>  実は以前にミラの話で、温度が下がってくると酸化チタンが吹き出してさら
> に減光するというような話を聞いたような気がするので、どちらかわかんなく
> なってしまいました。

 酸化チタン (TiO) というと固体を想像されるかも知れませんが、地球大気中の
 CO2 のような分子です。普通高温の恒星大気中では分子はほとんど形成されま
 せんが、M型星ぐらいの低温になると、分子が形成されるようになります。
 分子はある波長域の光をよく吸収しますので(例えばよく知られているように
 CO2 で赤外線など)、その領域の光がほとんど出て来なくなります。TiO では、
 可視光に顕著な吸収バンドが見られるので、例えばミラ型では温度変化から想像
 される以上に可視光が暗くなる原因になります。

VSNET Home Page

Return to Daisaku Nogami


vsnet-adm@kusastro.kyoto-u.ac.jp