MISAOプロジェクトの吉田誠一です。 京都大学チームの20010227の画像を検査いたしました。お受け取りした3259枚 のうち、1561枚が検査に成功し、1698枚が検査に失敗しました。成功率は48% でしかありませんでした。 検査に失敗した画像を見ましたが、星は少なすぎるということはなく、本来は 検査に成功して欲しいように見えます。しかし、実際にはマッチング処理で重 なり合う位置が見つからずに失敗してしまっています。 対処のアプローチとしては、 マッチング処理をしなくても、隣接画像から計算して概略の写像関数は分か りそうなので、それを使ってペアリングから処理するバイパス機能を用意す る。 という方法が有効そうに思っていますが、溜っている京都大学チームの画像の 検査、変光星光度報告の開始等、優先度の高い作業を片付けてから取り組もう と思っています。 マッチング失敗への対策として、写像関数を与えてマッチング処理をバイパス してしまう、という方針は、具体的には次のようなケースが想定されます。 1. 1枚の画像を検査している場合 1.1. ユーザが予め中心の座標や画角、回転角等をほぼ正確に知っている場合 (WCSがFITSファイルに書いてある場合、等) この場合、現状の1枚の画像を検査するGUIがほぼそのまま使えます。 但し、マッチング処理をするか端折るかの選択が可能になると思いま す。 1.2. 画像と星図を開いた後で、ユーザがいくつかの星像をマウスで選び、そ の星の赤経、赤緯を入力して、いくつか入力してから検査を開始する。 位置測定ソフトで良くある方法です。PIXYは自動処理なので、こうい うアプローチへのGUIが用意されていませんが、それを作ってしまう という手があります。 2. 一連のサーベイ画像を検査している場合 京都大学チームのように撮影時刻から位置を推算する場合と、大倉さ んのように画像の番号から位置を推算する場合と、2通りが考えられ るので、それをユーザが指定するようになると思います。 最初のうちはマッチングしていますが、途中からはマッチングは端折っ て、直前の何枚かの結果から写像関数を推定することになりそうです。 実際には、すべての画像でマッチングを行い、失敗した場合だけ推定 を行う、ということになりそうです。 これらをGUI的に、同時にシステム設計的にきれいにきちんと実装しようと思 うと、もうしばらく検討が必要です。 -- 吉田 誠一 / Seiichi Yoshida comet@aerith.net http://vsnet.aerith.net/index-j.html