吉田誠一です。 加藤さん [vsnet-j 836]: > こっちでコメントしたらよいのかな? ちょっとまだ不正確かも知れない部分が > ありましたので。 どうもありがとうございます。 あの文書は、先日までの私のレベル、つまり測光について何も分かっていない 人を対象に、おおざっぱな原理が分かるように、という趣旨で書いています。 そのため、厳密には正しくない点はあるかと思います。ただ、あまり不正確だっ たり間違っていたりしたら、ホームページの記述は随時直していきます。 > この近似式が使える範囲は、あまり極端でない色の星、としておくのがよいかと > 思います(たとえば 0 < B-V < 1 か 1.5 程度まで)。そうでないと、Rc 等級 > は B, V 等級がわかれば必ず求められてしまうような印象を与える式だからです。 この換算式のあたりの文脈は、Tycho Catalogue のような標準的な比較星カタ ログを対象としています。カタログに載っている比較星の大部分は色が極端な ものではない、という前提で書いています。 標準システムの場合だけでなく、Henden の式を使ってノーフィルターCCD画像 について測定する場合も、この前提が無いと、そもそもこの方法を採ることは できません。 私の方では、比較星カタログ中のデータという多数を相手にして考えているの で、この近似式が成り立っているのですが、これを任意の1個の星に適用して はいけない、というのが、加藤さんの心配だと思います。が、この点について は、この式が「近似式」と書いてあることと、後の章で、 > こうして得られた光度は、貴方が使用したCCDチップとフィルターに固有の光 > 度です。同じ機材で観測した他の観測者のデータとは比較できますが、CCDチッ > プやフィルターが異なる場合は、比較できません。 と書いてあることで、対処できているかと思っています。 カタログに載っている比較星の大部分は色が極端なものではない、という前提 を無くすと、そもそもの目的である測光のおおざっぱな原理が、却って分かり にくくなってしまいます。例えば、ノーフィルターCCD画像の場合は測光はで きない、という結論になってしまいます。 という訳で、現状維持としたいと思います。 > また、「標準システム準拠システム」で撮られたものでも、標準システムとは微 > 妙な違いがあるのが普通です。多くの場合、それは2バンドで測定することによ > って標準システムに換算して発表します。 > > ですので、 > (1) 標準システムに厳格に一致している場合 > (1') 標準システムに近いシステムを標準システムに換算する場合 > > の2つに分けておくのがよいでしょう。(1') は現在はサポートされていない、 > であるかも知れませんが、標準フィルターを使えば常に (1) の手順で観測できる > かのような誤解を与えるもとになるかも知れません。本来 (1') で整約すべき > ところが、1バンドしかないために(あるいは装備されていないために)、(2) > が使われている、と思っていただいた方がよいでしょう。 まず、あの解説文に関してですが、文章中の「標準システム」とは、(1)の 「標準システムに厳格に一致している場合」という意味です。標準フィルター を使った場合は、必ず標準システムに厳格に一致する、という前提で書いてい ます。これも、おおざっぱな原理を伝えるためです。 取り敢えずそれは置いておいて、加藤さんの書かれている測光の仕方が、良く 分かりません。これまでの一連のメールでは、2バンドで観測した場合の測定 の仕方、は紹介されていなかったと思います。 ・2バンドとは、VとBのような、標準準拠の2バンドの必要があるのか。任意 の2バンドで良いのか。 ・標準と厳密に違っても、Henden の式のような B-V の係数を求めて換算する だけではいけないのか。 ・異なるフィルターの2枚の画像があれば、任意のシステムに換算できるのか。 ・何で「標準フィルター」なのにそのまま標準システムとして扱えないのか。 など、疑問ばかりです (^^; > えっと、これは V ではなく、「そのシステムに一番近いバンド」を選択します。 > たとえば、赤に感度の高いCCDでは Rc を中心にします。 これは、以前にテイラー展開云々と説明して頂いた件ですね。これは理解して いたのですが、取り敢えずPIXY 2ではB-Vの係数を求めてしまうこと、清田さ んの例からRcはB-Vに対する係数を求めて近似できること、により、こう説明 しています。 今はVとBだけが載っている Tycho Catalogue しか使えないので、いかなるシ ステムもB-Vの係数として表現せざるを得ないのですが、将来他のシステムの 光度をも持つカタログをサポートした時には、V-Rc, Rc-Ic等の選択肢を用意 し、同時にこのページの解説も修正する予定です。 加藤さん [vsolj 3195]: > そうそう、もう一点忘れていました。B-V = 0 の時に他の色指数が 0 になる、 > というのは、B-V = 0 の天体すべてに対してそうなる・・はずはありません。 > 定義ではベガのような主系列 A0 型の星に対してゼロ点が決められているので、 > それ以外のタイプの天体については他の色指数も 0 になるとは限りません。 > > たとえば、UG型の増光中はほぼ B-V = 0 ですが、より青い方ではマイナスに > ずれてきます(赤い方ではそれほどずれません)。 具体的な例をどうもありがとうございます。 結局、 ゼロ点の基準となる星 => B-V=0 が成り立つのであって、逆は成り立たない、ということですね。 これに関連して、以下の記述を、今回のアナウンスメール&ホームページでは 記載しませんでした。 ・B-V=0.0等の星は、すべてのシステムの光度の基準となる。 ・写野内にB-V=0.0等の星があれば、システム特性が分からなくても、正規の 光度が得られる。 これは、その星がふつうの色(主系列A0型)であるという前提でしか成り立ち ません。B-Vの係数でシステム間の変換をする場合に比べ、上記の記述では、 実際に画像内にB-V=0.0等の星が1個でもあれば測定可能、というような誤解 を招きます。 しかし、今回の一連のメールで、私が光度測定のおおざっぱな原理がすっきり 分かったのは、上記の記述を納得した時点でした。だからこの記述はホームペー ジには追加したいと思っています。誤解を招かないように、 ・B-V=0.0等であっても、光度の基準とはならない種類の星もある。実際に写 野内に1個B-V=0.0等の星があっても、それを基準として光度を測定するこ とは推奨しない。 という注記と併せて、この1章を追加しようかと思っています。 -- 吉田 誠一 / Seiichi Yoshida comet@aerith.net http://vsnet.aerith.net/index-j.html