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[vsnet-j 291] Re: Position of MisVs

吉田誠一です。

加藤さん [vsnet-j 198]：
> 　可能な限り「より正確な位置」を発表すべきでしょう。というのは、これは移動
> 　天体の測定のように、位置そのものが本質的な測定値としての意味を持っている
> 　というよりは、変光星のカタログですので、どの天体が変光しているのかを明ら
> 　かにするための情報だからです。MISAOの方が精度が高ければ別ですが、そうで
> 　なく、しかも同定が確実であるならば、同定された天体のより精密な位置を与え
> 　ておくのが、カタログを利用する側にとってはより好都合です。もしそれで不十
> 　分であれば（あるいはカタログ位置に誤差が考えられたり、固有運動が無視でき
> 　ないなど）、MISAOの測定値を誤差付きで付記しておけば、同定の確かさなどを
> 　第３者が評価できてより望ましいかも知れません。

改めて考えてみましたが、やはり次のような点が気になります。

・カタログの中に、USNOの位置、2MASSの位置、GSCの位置、MISAOの測定位置、
  が様々に混在してしまうのは、混乱を招くと思われます。

  ＃ というか、私が混乱しています (^^;

・恣意的な操作が施されて、かつ、どこにどれくらい施されているのかが不明
  になってしまいます。

  ＃ 一部のMisVは、USNOと同定しながら、位置差が3秒程度と大きかったため、
     測定位置を載せています。そういう判断の結果が、後になるとどこでど
     うされていたかが、分からなくなってしまっています。

・同定ミスが入らない可能性は無いです（それほど厳密に検証している訳では
  ありません）し、固有運動の問題もあります。

  ＃ DSSの画像を見て、結局どれだか良く分からなかったケースもありました。

・[vsnet-j 222] にあるような、USNOでのblendingの問題が混入してしまいま
  す。

  ＃ blendingの一方がCCDで極端に明るく写れば、MISAOの測定位置の方が正
     しくなります。

位置を「統一」するためには、実際の測定位置を載せるしかありません。とな
ると、カタログには、MISAOの平均測定位置と、もし測定値より精度の良いと
思われるデータと同定されれば、その位置も併記する方が良いかもしれません。
具体的には、測定位置、最も精度の良さそうなカタログの名前、そのカタログ
の位置、の３つでしょうか。

しかし、いずれにせよ、同定天体のIDは記録しています。よって、同定された
天体の位置は冗長であり、載ってていなくても、カタログ参照者はIDからそれ
を調べることができます。

しかしまた、

> 　「発見時の測定方法で得られたさまざまな位置精度で報告されてきた」ために、
> 　これまでのGCVSの位置精度が不十分で同定に混乱を招いているのはご承知の通り
> 　です。これからはこのような新たな問題を持ち込むことを避けるために、「発見
> 　の位置精度にかかわらず、1" の精度で精測位置を確定できる」ことが標準的な
> 　要求になって行きそうです。

確かに、これだけ全天の画像や位置データが揃ってくると、今後は、各報告者
がそれぞれ万全の調査をして、１秒角以内まで精度を出してから報告するべき
だ、という流れも考えられますね。その意義は分かります。

とはいえ、MisVのうちの少なくない数について、その発見画像は、彗星や小惑
星の精測位置観測にも使われているような機材で得られています。勿論、そう
ではないものもあります。精度を追求した場合、前者についてはやはり測定位
置がベストのように思います。後者は、カタログ位置の方が正しくなります。
問題は、大部分のMisVの発見画像である、１ピクセル＝6.5秒角の画像につい
て、ですが、これもPIXYの位置誤差は1〜2秒と出力されているので、やはり測
定位置の方が良さそうにも思っています。

＃ すでにCCDを使って、簡単に１秒の精度が出せる世の中になっているのです
   から、精度を出せるような観測をすれば良い、というだけのことで、結局
   は測定位置とするかカタログ位置とするかを悩むべきでは無いのかもしれ
   ません。広角画像から発見したら、責任を持って望遠鏡＋CCDで観測し、精
   度の良い位置を求めてから発表すべし、ということかもしれません。

何にせよ、PIXY 2移行で光度はすべて再測定されるので、MisVのカタログも、
一度刷新されます。よって、このような位置に関する懸念も、同時に片づけて
しまおうと思います。

--
吉田 誠一 / Seiichi Yoshida
comet@aerith.net
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