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[vsnet-j 195] Running with PIXY System 2



吉田誠一です。

PIXY 2 の開発も進みまして、MISAOプロジェクトの作業全体がそちらに移行す
る日も、そろそろ近づいてきました。その際、これまで PIXY System 1 で検
査した結果を、

1. PIXY 1 の検査結果ファイルを、PIXY 2 のファイルに変換する
2. PIXY 2 で画像をすべて検査し直す

のどちらで移行するか、検討しています。

明らかに、画像をすべて検査し直した方が利点が多いので、そうしたいのです
が、問題になることが若干あります。また、どうせ検査し直すなら…、という
件もいくつかあります。

まず、変光星に関する、すべて検査し直した場合の問題は、次の通りです。

・すでにVSNETに報告済みの変光星の光度が変化する。場合によっては、報告
  した変光星が検出されなくなったりする可能性がある。

  これまでの光度報告数は約45,000個です、このデータを報告し直すか、報告
  した分だけは検査結果を古いデータで直してしまうか、どちらかになります。

  但し、調べてみると、報告済みの中にも、値が極めて怪しいものがありまし
  た。そのため、単純に報告済みは古いデータを上書き、としてしまう訳にも
  いきません。

もし修正報告する、ということになれば、どうせなら以下のようなことまでやっ
てしまっても良いかもしれません。

・すべてUSNO-A2.0で検査してしまう

  これまでは USNO-A1.0 で測定していましたが、USNO-A2.0 に乗り換えてし
  まっても良いかもしれません。しかし、確実に、すべての星の測定光度が 
  PIXY 1 と異なってしまいます。ちょっと試してみると、画像全体が1等ほ
  どずれるようなこともありました。

・すべてTycho等の信頼できるカタログで光度を補正してしまう

  Landoltとまではいかなくても、Tycho などの光度が信頼できるカタログを
  使い、USNOで測定した後で、光度を補正し、領域ごとの差異をなくす、とい
  うことも考えられます。当然、すべての星の光度がPIXY 1 の値と異なると
  思います。

参考までに、すべて検査し直した場合の利点は、次の通りです。

・ファイル名の不整合の問題が解消

  SBIG圧縮フォーマットが読み込めるようになれば、CD-Rに焼いた画像のファ
  イル名がそのままデータベースに書き込まれるので、結果の確認や、後日の
  閲覧が容易になる。
  → 現状はFITSに変換して検査しているが、CD-Rには元の画像で保存してい
     るので、将来の変光星捜索等で、かなり重大な欠点となる(ある星の光
     度データベースを閲覧中に元画像のその星の像を見るようなGUIがあって
     も、画像が見つからなくなる)。

・データベース中のエラーを無くせる。

  - 現状は、ブルーミングするような明るい星は、検出位置がずれているので、
    すべて「カタログの該当位置にデータが無い」「カタログに対応する位置
    から星が検出されていない」と記録されてしまっている。
     → 但し方策は未定。

  - 過剰分離で、1星像が2つの星として記録されていることがある。

  - 画像の端からノイズが検出されていたことがある。

・現時点で見つかっているすべての変光星のデータがXMLに記録される。

・PIXY 1 のPXFを移行するとしても、同定された変光星のデータは変換できな
  いので、変光星の同定はすべてやり直さなくてはならない。

・PIXY 1 のPXFには、検出星像のピクセル値等の値が無い。

・PXF->XML変換は難しい。

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吉田 誠一 / Seiichi Yoshida
comet@aerith.net
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