吉田誠一です。 PIXY 2 の開発も進みまして、MISAOプロジェクトの作業全体がそちらに移行す る日も、そろそろ近づいてきました。その際、これまで PIXY System 1 で検 査した結果を、 1. PIXY 1 の検査結果ファイルを、PIXY 2 のファイルに変換する 2. PIXY 2 で画像をすべて検査し直す のどちらで移行するか、検討しています。 明らかに、画像をすべて検査し直した方が利点が多いので、そうしたいのです が、問題になることが若干あります。また、どうせ検査し直すなら…、という 件もいくつかあります。 まず、変光星に関する、すべて検査し直した場合の問題は、次の通りです。 ・すでにVSNETに報告済みの変光星の光度が変化する。場合によっては、報告 した変光星が検出されなくなったりする可能性がある。 これまでの光度報告数は約45,000個です、このデータを報告し直すか、報告 した分だけは検査結果を古いデータで直してしまうか、どちらかになります。 但し、調べてみると、報告済みの中にも、値が極めて怪しいものがありまし た。そのため、単純に報告済みは古いデータを上書き、としてしまう訳にも いきません。 もし修正報告する、ということになれば、どうせなら以下のようなことまでやっ てしまっても良いかもしれません。 ・すべてUSNO-A2.0で検査してしまう これまでは USNO-A1.0 で測定していましたが、USNO-A2.0 に乗り換えてし まっても良いかもしれません。しかし、確実に、すべての星の測定光度が PIXY 1 と異なってしまいます。ちょっと試してみると、画像全体が1等ほ どずれるようなこともありました。 ・すべてTycho等の信頼できるカタログで光度を補正してしまう Landoltとまではいかなくても、Tycho などの光度が信頼できるカタログを 使い、USNOで測定した後で、光度を補正し、領域ごとの差異をなくす、とい うことも考えられます。当然、すべての星の光度がPIXY 1 の値と異なると 思います。 参考までに、すべて検査し直した場合の利点は、次の通りです。 ・ファイル名の不整合の問題が解消 SBIG圧縮フォーマットが読み込めるようになれば、CD-Rに焼いた画像のファ イル名がそのままデータベースに書き込まれるので、結果の確認や、後日の 閲覧が容易になる。 → 現状はFITSに変換して検査しているが、CD-Rには元の画像で保存してい るので、将来の変光星捜索等で、かなり重大な欠点となる(ある星の光 度データベースを閲覧中に元画像のその星の像を見るようなGUIがあって も、画像が見つからなくなる)。 ・データベース中のエラーを無くせる。 - 現状は、ブルーミングするような明るい星は、検出位置がずれているので、 すべて「カタログの該当位置にデータが無い」「カタログに対応する位置 から星が検出されていない」と記録されてしまっている。 → 但し方策は未定。 - 過剰分離で、1星像が2つの星として記録されていることがある。 - 画像の端からノイズが検出されていたことがある。 ・現時点で見つかっているすべての変光星のデータがXMLに記録される。 ・PIXY 1 のPXFを移行するとしても、同定された変光星のデータは変換できな いので、変光星の同定はすべてやり直さなくてはならない。 ・PIXY 1 のPXFには、検出星像のピクセル値等の値が無い。 ・PXF->XML変換は難しい。 -- 吉田 誠一 / Seiichi Yoshida comet@aerith.net http://vsnet.aerith.net/index-j.html