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[vsnet-j 20] Gakkai: XTE J1118+480




XTE J1118+480 のこれまでに分かっている可視光の動向についての発表を
秋の学会に申し込みました (予稿は以下に添付)。

植村 誠 (京都大宇宙物理)

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X線新星 XTE J1118+480 は2000年3月29日にRXTE/ASMによって発見され、我々
は翌30日に約13等の可視光対応天体を同定した。この天体はブラックホール
連星系に見られるいくつかの特徴を示しており、さらに、静穏時の等級(18.8等)、
高銀緯($62^\circ$)の天体であることから、銀河ハロー中のブラックホールである
可能性がある (植村他、2000年春期年会 Post-deadline paper)。我々は発見
以降、VSNETを通して国際観測キャンペーンを指揮し、多経度での可視光観測を
行ってきた。 本発表では測光観測から得られた時間変動を中心に報告する。

我々は発見以前に撮影された同視野内の写真観測から、2000年1月に、3月に
検出したものとは別の爆発が起っていたことを明らかにした。また、同じ
時期にX線も増光していたことがRXTE/ASMの観測からわかった。このように
100日以内に同程度の振幅を示す2度の爆発現象が起ることは極めて珍しい。
X線と可視光がほぼ同時期に増光を開始した1月の爆発とは対照的に、
3月の爆発は可視光の
増光がX線の増光に5日程先行し、増光開始から50日後付近から指数関数的な減光
({\it e}-folding time $\sim 170$ d)に転じた。また、減光開始から約30日
後には振幅0.5等の第二極大が観測され、その後再び同じ減光率に戻った。 

長時間変動の他に発見直後から周期的な短時間変動が見られ、我々は増光途中の
光度曲線からその周期を$0.17070\pm 0.00002\;{\rm d}$と求めた。
同様の変動は他の系でも見られ、その周期は連星軌道周期を反映しているものと
考えられている。しかし、正弦曲線的な形をしていた初期の平均光度曲線は、
減光の開始と同じ頃からその輪郭が非対称なものに
変化した。また、変光周期の変化も有意に検出され、この周期変動が軌道周期を
反映したものだけでは説明できないことが明らかになった。この周期変化の原因
として、SU UMa型矮新星のスーパーアウトバースト時に見られるスーパーハンプ
と同じ現象が起きている可能性が考えられる。

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