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V616 Mon



V616 Mon=Nova Mon 1975      XND            11.26-20.2B

  1975年全天で最も明るいX線源が出現した。当時はオリオン座新星と呼ばれた。
増光は1976年初めまで続き、その後比較的早く減光した。パロマー星図上20等のや
や赤い星がみられ、Harvardの写真の調査により1917年にも増光していたことが明
らかになった。その後のスペクトル観測により分光連星としての軌道が明らかにな
り主星の質量がblack holeに相当することがつい最近明らかになった。増光原因は
accretion eventに相当するものであろう。平常光度時はK型伴星の光が主で、V
光度では17-18等台である。観測は再発新星と同様重要である。

  前回増光の光度曲線は良く知られている。1976年になっても明るかったが13−14
等から急激に減光した。LyutyiとShugarovによる増光後期(最終減光期)の変光は
以下の通り。(Sov.Astron.Lett.5,1979)

                 V/Vpg         B           U
  2442873.309    16.8
    42888.253    17.3
    42890.259    17.1
    42892.256    17.5
    43026.549    17.65
    43027.552    17.50
    43045.562    17.55
    43046.570    17.60       18.61       19.1
    43049.584    18.0
    43050.535    17.95
    43055.579    17.75
    43056.589    17.55
    43057.591    17.80
    43164.366    17.85
    43184.258    17.90
    43188.273    17.9
    43190.357    18.0
    43192.289    17.50
    43399.566    17.66      18.64
    43429.585    17.95
    43519.413    17.50      19.00
    43521.375    18.05      19.25
    43785.556    18.4
    43785.570    18.19      19.46        20.0
    43786.592    17.60
    43789.561    17.70
    43795.579    17.86

17等台まで一気に減光して極小光度に達している。その後は大きな変化は認められ
ていない。カタログ光度の20等に惑わされず、極小観測をして欲しい。星図は光電
測光の比較星であり、信用できる。

「変光星」1990.03
・V616 Mon (Johnston et al., ApJ 345,492)
 1986年のスペクトル観測の結果が示されている。主星の質量下限は3.2太陽質量
で、ブラックホールらしいことが確認された。さらにaccretion diskからの輝線が
観測され、double-peakの形態をしている。この解析の結果、主星の質量下限とし
て4太陽質量が得られた。