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U Leo



U  Leo          N??    10.5v-<15v
 BD+14゜2239として登録されている。1855年1月18日に観測がなされて
いる。1876年になってPetersが存在しないことを発見した。

「変光星」1990.03
・U Leo の同定 (Downes and Szkody AJ 97,1729)
 しし座の激変星にはT Leo,RZ Leoとよく分からなかった星(今もよくわからない
TU Leoもある)が多いが、今回U Leoもその仲間に加わりそうである。U Leoはもと
もとボン星表に記載されている星で、後になって存在しないことが明らかになり、
1855年ごろ爆発した新星であろうということで変光星として命名されたものである。
Khatisovが1971年にBD記載の位置の近くに17等星を見いだし、これをpostnovaとし
たが同定は明かではなかった。今回DownesとSzkodyがSharaの提唱するnovaの
hibernation theoryを検証するため古い新星の同定を片っ端から始めたところU Leo
の候補星が特異な天体であることが明かとなった。

 問題の星は「激変星星図セット」にマークしてある天体である。測光に結果V=17.3,
 B-V=+0.4, U-B=-0.1と、平常光度の新星によく見られる紫外過剰は著明でない。
ところがR等級の連続観測を行ったところサインカーブ状のはっきりした変光が見
いだされた。ハンプとは形状が異なる(これはあまり激変星的でない)。周期は192.5
分で変光範囲は0.1等である。これは軌道運動を反映していると思われる。軌道周期
が192.5分とすれば主星側だけが加熱されている伴星の公転運動による変光、軌道周
期が385分であればゆがめられた伴星の楕円体型変光を見ていると彼らは推定してい
る。

 例によってUGSUではないかと期待していた者にとっては多少残念な結果であるが、
スペクトル観測がなされるまでの間解釈を楽しむ材料はある。思い付くままに書い
てみよう

 1)UBV光度からみて現在はNL型のような高い質量移動率を持っているようには
見えない(PGサーベイでも捉えられていない)。これは激変星としての特徴に乏し
いわけで、モデルに大きな制限を加える。この星がもし新星であったならば、現在
の光度からみて極大のみかけの等級はかなり明るかったはずである。ボン星表の観
測時には減光途中であったとすれば一応解釈できる。これが本当ならばnovaの
hibernation theoryを裏付けることになる。V471 Tauのように分離型連星からの新
星爆発もないとは言えないが。

 2)UG型という解釈をするならば軌道周期が長い割には質量移動率が極端に小さ
い系を考えることができるが、やはり質量移動率が減少したとみなければ現在の測
光値を説明するのは困難であろう。増光の可能性を信じてモニターするのは個人の
自由だが。

 3)かつてはNL型であったが、現在では質量移動がほぼ止まっていて分離型連星
に見えているということは可能である。MV Lyrのような例がある。ただ変光範囲は
これほど大きくはない。

 4)極小でそれほど青くない新星としては、X線新星などがある。この場合は再
増光も期待できる。

 5)あって欲しくないことだが、この周期は脈動変光やEW(ELL)型変光であって、
新星爆発とは関係がないかも知れない。UBV測光からはこの可能性を捨てられない。

 位置のよく知られているU Leoの候補星がこの調子であるから、UBV測光では他の
新星の同定に多くを期待できないかもしれない。

「変光星」1990.12
 U Leo: 該当位置に192.5分周期の変光星が発見されたことを紹介したが、その星
のスペクトルには輝線は認められず、G型星である。