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V811 Cyg



V811 Cyg      UG          12.7-(17.7p(=VV64)
 何やっとるんじゃと言いたいぐらい増光がつかまらない。発見報告を見ると(写
真観測)結構頻繁に増光しており、それほど暗いわけでもない。パロマー星図でも
増光しており、最近増光をさぼっているという説ももっともである。発見文献によ
るデータは以下の通りで、最近の観測がうそのようである。

    JD        mpg      duration
  2425866     14.6     isolated plate
    29871     14.5     >2
    31346     13.2     isolated plate
    32593     13.3(594) long maximum, 13.6 on 32600 極大光度はその期間
            ほぼ一定であった。
    32736     13.3     6  減光スピード0.93mag/day, 32735には16.6等
    32790     13.1(791) 8 減光スピード1.1mag/day
    32887     13.1(891) 17 long maximum,  減光スピード0.71mag/day
    32943     13.3     >4 減光スピード>0.99mag/day
    33125     13.3     6  減光スピード0.83mag/day
    33233     14.9     isolated plate
    33360     13.3(361) >9
    33441     13.4     >4 減光スピード0.88mag/day
    33506     12.7     >8 16.7 on 33504, 14.4 on 33513, 15.6 on 33525
                          16.7 on 33527
    33564     14.3     >3
    33981     13.2(985) >5
    34161     13.6(162) 15.8 on 34168, 15.9 on 34180, 15.8 on 34184
   このあと変光はやや不規則となり、極小光度は16等までしか減光しなかった。
(通常は17等)
    34189     14.0     isolated plate
    34210     14.6     >4
    34227     14.6(229) very active
    34462     13.9     isolated plate
    34513     13.7     two plates
    34564     14.5(569) >6
    34603     14.9     two plates
    34692     14.5     two plates
    34888     14.6     three plates
   ここで極小は平常に戻った。
    35509     13.8(511) >3
   再度明るい極小に。
    35937     15.0     two plates
    35990     14.3     two plates

 このようにかなり変化の激しい天体であることは間違いない。極小が明るくなる
時期には割合暗い増光が頻発し、極小が暗い時には割合明るい(しかも時に長い)
増光が多く、増光頻度は少し落ちる。あるいは質量移動率の変動の激しい系なのか
も知れない。減光スピードはやや速めで、UGSSとすればUU AqlやAR Andクラス
の軌道周期の短い(2時間台)ものであろう。UGSUにもこの位の減光スピード
のものはある。長い極大がsupermaximumの特徴を備えていないのでおそらくUGSS
であろう。しかし上記のような変光の様子をみているともう少し強力な機械で観測
してみたいものである。極小光度の17等ぐらいまで追えれば理想的なのであるが、
せめて暗いめの極大(15等程度)ぐらいはコンスタントにとらえてみたい。