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V404 Cyg



V404 Cyg      12.5P-20.5P

 Hamburg 天文台のWachmannによって発見された。極大は1938年9月28日と10月14日
の間にあったと思われる。観測された最大光度は12.5等だが、推定極大光度は11.0等
とされている。スペクトル観測はなされている。やや速い減光を示したnova。

「変光星」1989.07
 X線天文衛星「ぎんが」が久しぶりに眼視でも楽しめる明るいX線新星を発見した
(光度的には1975年のV616 Mon以来であろう)。アマチュアの間では情報が錯綜して
おり、せっかくの新星を観測できなかった人も多いのではないかと思う。ここでこの
珍しい現象(X線・可視光での「再発新星」)の初期の経過をIAUCを中心に振り返っ
てみたい。

 事は5/22「ぎんが」の全天モニターが明るいX線新星を発見したことに始まる。
5/24付のIAUC No.4782にはGS2023+338と題して報告された。位置は20h23.7m,+34o02';
20h24.1m,+33o58';20h22.9m,+33o40';20h22.5m, +33o43'で囲まれる四角の中である
と発表された。5/23の観測ではX線強度は0.1-0.2 Crab(かに星雲の強度)を変動
しており、X線スペクトルは非常に硬い(高エネルギー成分が強い)ものであった。
X線強度は 0.1秒以上の様々なタイムスケールで不規則に変動していた。

 これが第一報であるが、この時点でこのエラーボックスの近くに1938年の新星
V404 Cyg(極小はDuerbeckによりパロマーのB=20.5の星に同定されている)が存在
することが指摘されたようで、すぐに可視光の観測が行われた。X線新星のあるも
のは可視光でも増光して新星となるが、Hurst, Mobberleyらのグループは前々から
こういう現象に興味を持っていたらしく、過去のX線新星の追跡を始めていたよう
である(The Astronomer参照)。結局はX線新星の報を聞いてすかさず写真を撮った
ようである。

 彼らはMay 26.99UTにこの領域を撮影し、確かにV404 Cygが mpv=12.5に増光して
いることを確認した。さらにはLick Atlas <15B, Atlas Stellarum <14B,
Papadopoulos <13Vと爆発型変光星がみつかると過去の写真星図を調査することが
恒例となっている。

 一方、Wagner,Starrfield,Cassatellaも独立してV404 Cygと光学同定に成功した。
May 26.4UTのLowell天文台の1.8mによる眼視観測(!)でV404 Cygが12-13等に増光し
ていることを確認した。IUE衛星による光度はMay 27.3で V=12.6であった。紫外域
の光が弱かったため最初の紫外スペクトル撮像には失敗したが、May 27.4には可視
域のスペクトルが得られた。赤化を受けた連続光に重なって強い輝線が見られる。
同定された輝線はバルマー・パッシェン系列と、HeI 587.6,667.8,706.5nm; HeII
468.6; CIII/NIII 464.0; 弱いFeIIで、HeII 468.6はHβ輝線に匹敵するものであ
った。吸収線・禁制線は見られなかった。これらの観測よりV404 CygがX線天体に
対応することはほぼ間違いない。

 以上IAUC No.4783(5/27)より。同時に5/27付で天文電報が発行された。見る機会
が少ないであろうから原文を紹介してみよう。

GINGA XRAY NOVA 90522 EQUALS V404 CYGNI MARSDEN MOBBERLEY HURST 19501 90526
99/// 20221 23342 05125 57715 48688 SPECTRA WAGNER STARRFIELD CASSATELLA
CONTINUUM STRONG EMISSIONS MARSDEN 5MAY27/1600Z NAO

内容は読めばその通りであるが天文電報特有の表現を少し補足しておく。90522 は
1989 05 22 の意味。19501 90526 99/// は 1950分点、1989 05 26.99UTの意味。
20221 23342 は20h22.1m +332'の意味。05125 は mpv=12.5で、57715 48688はい
わゆるチェックサムで気にしなくてよい。

 この情報によって諸外国では眼視観測が始められたようであるが、V404 Cygとい
う変光星の名称が出てきて、しかも光度12.5と具体的に挙げられているにもかかわ
らず、XRAYという単語が災いしてか、この情報は国内のアマチュアには伝わってこ
なかった。

 我々の知らない間にその後も毎日のようにIAUCが発行される日々が続いた。
No.4786では1号分を割いている。内容の概略は以下の通り。

 「ぎんがは6月1.75-5.12日の間X線観測を続ける。他の波長域での同時観測が望
まれる。ぎんがは観測時間の30%を割く予定である。May 23と28に観測を行ったとこ
ろMay 28.174UTに 17 Crabの最高強度を示した。不規則変動の最大幅は500倍以上で
あった。X線スペクトルは2つ以上の成分からなり、吸収物質の密度の変化ととも
に複雑な変動を示している。」

 「WagnerはMay 28.4UTに400-468nmの高分解能スペクトルを撮った。Hγ,Hδ,
Hε,HeI 447nmの輝線が見られ、443nmには星間吸収が見られる。Hγ輝線の半値幅
は1000km/sに相当し、一つのピーク成分と幅広い成分が認められる。これらの特徴
は V616 Monの極大後2-3週の状況に似ている。これはV404 Cygの t3(3等減光する
のに要する時間)が60日(1938年の場合)であるのに対し、V616 Monの t3が200日で
あることを考えるともっともなことである。輝線が鋭いことはV616 Monとは対照的
にこの系をほとんど公転軸の方向から見ていることを示唆する。しかしながら、こ
のスペクトルは U Scoの極大時に似ていることも指摘しておかなくてはならない。
U ScoはX線では検出されないのであるが...」

 Buie and Bondの May 30.323UTにおける測光値はV=12.7,B-V=+1.5,U-B=+0.3で強
い星間赤化を受けている。高速度測光では強いフリッカリングが認められ、数分の
タイムスケールで最大0.7等の変光を示す。

 Johnsonらは赤外測光を行った。May 29でJ=9.0,H=8.3,K=7.7,L'=7.2(注:赤化を
受けていない時のV-Jを0.0と仮定するとV等級における星間吸収は3等になる)

 IAUC No.4787(June 1)の発表は以下の通り。

 「木曽観測所のOkamura and Tanakaは GS2033+338に対応する光学天体としてMay
28に10.5mシュミットで撮ったプレートからB=15±1等の星を同定した。位置は20h22m
06.30s,+332'16.7"であった。パロマー星図では B=21,R=18.5である。」

 Schmeerによる眼視観測は次の通り:May 28.04,11.9; 30.02,12.4; June 1.03,13.6
 実は我々のところへ情報が飛び込んできたのは、 6/2、あるパソコンネットを通
してのこの記事が最初である。しかもV404 Cygniと表題が付いて、それ以前の情報
なしにである。これを最初に読んだ(実はKis氏が1日前に別のルートからIAUCを
読んでいたのだが)I氏は「また Schmeerにやられた!」といって悲観していた。
ここまでのIAUCの経過をすでに読まれた方は不思議でも何でもないはずだが、IAUC 
4787 だけを読んだI氏は「今回の増光はUGSUのnormal  outburst、1938年のいわ
ゆる新星現象は superoutburstで、今回は減光が速いからきっと見えないだろう」
と各地に伝えたということを後になって聞いた。彼の頭の構造は思考がUGSUにしか
向かわないようになっているようである。

 筆者がこの情報を知ったのはその直後I氏からである。「V404の増光聞いてます
か?」「ええ?」「1938年の新星ですよ。最近 Schmeerにやられてばかりだ。パロ
マーではビカッと写っとるよ」とため息の出る話(筆者はここでてっきり再発新星
と思った)の後、「ところでよくわからない所があるんだけど、GSというカタログ
何ですか?」と聞かれたので原文を読んでもらったところ、optical counterpart
という単語が出てきて、「X線天体じゃない? GS はGinga source しか思い付か
ないが」と答えて、「再発新星でも初期にはX線は出ないし、UG型でも出ない。X
線新星だろう。きっとこれ以前に何か情報があったはずだ」と勝手に自説を展開し
たが幸いにも当たっていたようで後々ボロクソに言われずにすんだ。

 ついでながら書いておくと、中性子星表面や降着円盤との境界からX線が出る理
由はわかりますよね(「降着円盤への招待」を読もう)。しかし可視光でも明るく
なる原因はなぜでしょう?これは主星から放出されたX線が周囲の降着円盤で低エ
ネルギーの光子に変換されるためであり、その変換効率は10% 程度と言われる。と
いうことでX線新星は降着円盤が光って見えていると考えてだいたい間違いはない。
X線バーストを起こす星でX線の増光より数秒遅れて可視光での増光が起こるがこ
れは降着円盤のサイズを表していると考えられる。さらにX線新星は通常の時期に
はX線では見えない。これは普段は質量移動が起こっておらず(降着円盤もない)、
ある時突然バースト状に質量移動が起こって (accretion event)輝くと考えられて
いる。同様のメカニズムはT CrB,RS Ophなどの共生星の再発新星についても当ては
まると言われている。

 もとの話に戻るが、さらに Schmeerの観測が掲載されていることに疑問を持って
(木曽の同定より早い時期の観測があるのはおかしい)、V404 Cygのタイプを調べ
てもらった。(実は国内で名前すらあがっていない新星が外国でモニターされてい
るとは考えられなかったからである−全く自信過剰ですネ)「NAになっていますが」
「GCVSじゃなくて激変星カタログを見て。GCVSはいい加減だから」「カタログでも
NAで、比較的速い減光を示したnovaと書いてありますよ」「NA:ではないですね」
「:は付いてません」…とすれば前回の増光に際してスペクトルで確認されていると
いうことである。(ついでながら宣伝をしておくと激変星カタログの新星はスペク
トル的に確認されていないものには:の記号を付けて区別してある。細やかな配慮
(?)に注目していただきたい)スペクトル的に確認された(通常の)新星はまじめに
モニターしないことが多いので星図セットに含まれていなくても仕方がない(往々
にしてそういう中からV394  CrAのような例が現れるのだが)

 「それではSchmeerが以前から観測していたはずがない。観測の日付からみて前日、
つまり5/27にX線新星の発見か何かの天文電報が回ったのではないか。おそらくそ
の時点でerror boxの中にV404 Cygが入っていることが指摘されていたのでしょう」
偶然にもこの予想は全くその通りだった。

 そこで、まれにみる重要事件としてW氏に連絡をしたのだがすでに知っていたよ
うで、どうも対応が悪い。速報を出す気はなさそうである。これはあらかじめ回っ
ていた「UGSU」「normal」のせいであることが後から判明した。

 それで以前のIAUCを持っているはずの Kis氏に連絡して真相を聞いた。だいたい
以上のような内容であったので再度事務局に連絡をして「星図を作って送るから速
報を出しましょう」ということで決着した。

 当日夜、薄雲を通してこの天体を観測することができた。あまり良く見えないが
時々チラリと見える。例の短時間変動が見えているのだと適当に解釈して一番明る
く見えた(ような気がした)時の光度を報告しておいた(速報に出すには明るい方
が適当だろうから)。いい加減な話である。後から知ったところではこの頃は一時
的に減光していた時期に相当していて、この時期に観測した人や、変光星速報の数
字で観測をあきらめた人は不幸であった。

 その後もIAUCは次々と発行され、Kis 氏に言わせると「最近のIAUCは変光星の話
題しか出ていない」との調子であった。IAUC No.4790(6/2)では詳細は省略するが
Hjellmingによる電波観測 (VLA)の結果が出ている。「May 30.19からJune 1.33に
かけて電波強度は1/10以下に減少した。これは膨張しているシンクロトロン輻射源
が急激な減衰段階にあることを意味する。この輻射源はV616 Mon,GS2000+25=QZ Vul,
CenX-4=V822 Cenに比べてずっと強い。電波スペクトルは他のX線新星に比べて特異
である。いずれにせよ電波源の位置観測の結果はV404 Cygに完全に一致するもので
あった。」

 また、Mobberleyの写真観測の結果が出ている。May 26.99,12.8; 27.96,12.5; 
28.98,11.9; 29.96,12.5
 IAUC No.4793(6/7)による眼視観測の結果は次の通り:June 2.00,14.2(Schmeer);
3.22,13.5(Bortle); 5.14,13.5(Bortle)
 IAUC No.4794(6/8)の情報は以下の通り。
 「Szkody and Margonは爆発前のApr.13にこの星のCCD測光をしていた。B=20.3
V=18.3 R=16.9で、IAUC 4787のパロマー星図の値より明るい(彼ら自身のパロマーE
プリントからの測光ではこの R等級に近い値が得られている−いずれにしても平常
の変動・誤差の範囲内じゃないのかな?)。爆発のある何週間も前から明るくなっ
ていた可能性がある。これはX線新星のKY TrAで見られている。」

 爆発前にCCD観測をしていたということで Kis氏は驚いていたようだが、最近
の論文からのニュースを読んでおられる方はおわかりですね。Szkodyらは最近古い
新星やUGSUらしい星を片っ端からCCD測光して変光を調べているのでした。ちょ
っと前の論文で19世紀の新星をやっていましたから、やっと1930年代まで進んだの
でしょう。

 「Jones and CarterのMay 29-June 7の測光によると、この星は急激にMay 30.1に
I=9.63,V=11.64の極大に達し、June 2.1にI=12.36,V=14.76の極小に達した。その後
直線的に増光してJune 7.1にはI=11.72, V=13.82となった。U-B=+0.2は一定してい
た。これらの値は1938年の増光の際にWachmannによって得られた値とは有意に異な
っており、V616 Monの光度曲線とも異なる」

 「Charlesほかによるスペクトル観測の結果:June 1.2の観測では輝線が目だっ
ており、Hα輝線は等値幅12nm,半値幅は550km/sに相当する。Wagner and Starrfield
によって報告されたすべての特徴が確認されたが、線幅はずっと狭い。輝線が連続
光よりずっと強い点でV616 Monには似ていない。バルマー・HeII 469nmのプロフィ
ールは夜ごとに変化している。HeII輝線は時々400km/s程度で分裂したピークを見
せる。NaD, 443nmバンドの吸収線からは星間吸収は3等程度であろう(注:もし吸収
がなければ極大光度は 8-9等になっていたはずで文句なしにこれまでで最も明るい
X線新星である)。He Iの389,447,588nmには弱いP Cyg型の吸収線が見られ、膨張
している殻によるのであろう。強いX線強度や短時間変動からみてV404 Cygは再発
新星(白色矮星を持つ)では有り得ない。またこれまでのどのX線新星にも似てい
ない。しかし光学スペクトルはSco X-1=V818 Scoを思わせるところがある。おそら
く中性子星かブラックホールを持つ低質量X線連星なのであろう」

 IAUC No.4796には電波観測の結果が出ている。時間のオーダーで 0.05-0.15Jyを
変化している。普通のX線新星のように電波強度は減衰せず、また電波スペクトル
やその強度変化はV1343 Aql(=SS433),V1357 Cyg(=Cyg X-1)に似ている。

 IAUC No.4797にはWagnerほかが長文のレポートを出している。「1.8m+CCDで高時
間分解能の測光を行ったところ、10.0±0.1分の周期が検出された。変光範囲は
0.06等。この周期の信頼度は生データで95%、大きなフレアを除くと99%になる。ま
た別のデータセットにも同じ周期が見られる。これは軌道周期に関連している可能
性がある。可視域での強いHeの輝線の存在は伴星の進化が進んでいることを示唆す
る。ただし、HeIIの強い輝線はDQ Her, AM Her型をも思わせる。そうならば周期的
な光度変化は磁場を持つ白色矮星や中性子星の自転によるとも考えられる。この星
はV616 Monよりは low-mass X-ray binaryに似ているが、この違いはV616 Monがの
ようにブラックホールではなく、中性子星への降着を見ているためであろう。高時
間分解能の視線速度観測や、偏光観測、X線での周期の検出がこれらの可能性を区
別するために必要である。」

 要するに短周期変動が見つかって、それが軌道周期ならばヘリウム白色矮星を伴
星に持つ系、自転周期ならばブラックホールでなく表面を持つ中性子星であると言
いたいのでしょう。かつて某グループが見つけたU Scoの短時間変動と同じ様なケ
ースですネ

 Kis氏によると、最近イギリスの The Astronomerに記事が出ているそうで、15等
クラスまでの星図が掲載されているそうである。日変研星図と比べると系統的に
0.3-0.4等明るい数字になっているそうであるが、ランダムな差はあまりないよう
であり、速報の星図を使っていただいて問題はないと思われる。前回増光における
光度観測も示されており、今回同様の極大後の小減光があったらしい。またX線新
星と、通常の(classical novaの)再発新星とが混乱しているようで、「なぜX線
が強いのか」とか議論しているそうである。また「通常の新星の増光モニターもし
なくてはならない!!」と書かれているそうで、恐ろしいですネ(某M氏もこの星の
話を聞いてからは「極大12等でも古い新星は見なくてはいけない..」と言っていま
したが)

 なお、イギリス(BAA)は増光モニターの話については異常に興味があるらしく、
最近の"Astronomy Now"にIslesがNova Sct 1981を紹介している。ご存じのように
この星は発見者の眼視観測1点と、1枚の写真があるだけで、現在のところ変光星
としては認められていない。ところが、発見者の過去の捜索ノートを調べてみたと
ころ1978年 9月にほとんど同じ場所に天体を見ていることが明かになった(その時
は赤道星図からもれているだけだと思っていたそうだ)。それでこの星は数年に1
度増光するUG型ではないか、ということで観測をすすめている。この話を読んだ
人の中にきっと毎晩観測する人が現れると思うが、増光写真に対応する位置のパロ
マー星図には星がない。いくら変光範囲の大きいUG型でも13等以上の変光範囲は
ちょっと考えられないですネ。もし本当に爆発を繰り返す天体ならば新種のものか
も?

 V404 Cygについてはこれからも重大な発見がなされると思われるが、次回以降の
ニュースにて伝えて行く予定である。眼視でもまだ追えると思われ、条件も良いの
で中口径をお持ちの方は速報の星図で続けて見て欲しい。今回見えなかった人も次
の増光を目指してモニターしよう。またこれまでの新星の中にもX線新星がまぎれ
こんでいる可能性があるが特徴は「変光範囲が小さい」「極小はあまり青くない」
である。最近再発見された U Leoもあるいはそうかも知れない。

(なお原文のx-ray transientはX線新星と表記しました)
IAUCに掲載された観測、日変研に寄せられた報告から作成したグラフをあげる。+ 
マークはIAUCのV,pv,vの観測である。観測はかなりばらついているが、最初急に減
光しその後はゆっくりと減光していったようである。

「変光星」1989.10
V404 Cygの過去の増光 (Richter IBVS No.3362, 1989)
 1928-1989年の1462枚のSonneberg plateの調査の結果、以下の増光が見いだされた。
          JD             B
1938   2429193.34      13.7:
          9194.36      13.5
          9216.28      13.3
1956   2435685.40      14.1::
          5691.41      14.3
          5694.52      14.5:
1979   2444142.93      13.4? 不確か
1989   2447706.43      16.2
              .44      16.3
              .45      16.3
              .47      16.2
 著者はもっと多くの増光が見逃されているのではないかと言っている。増光して
いる確率は増光のまれなUG型(例えばDO Dra)とほぼ同じ程度である。極大光度が
普通の新星捜索のための写真の極限等級よりわずかに暗いために新星パトロールで
も捕まらなかったものと思われる。当該区域の過去の写真をお持ちの方は調査をお
願いします。