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V398 Cyg



V398 Cyg
「変光星」1989.04
・奇妙な食変光星 V398 Cyg (Margoni et al. IBVS 3309)
 Asiago天文台のシュミット望遠鏡のプレートを調べたところ、周期はGCVSにある
9.2122日ではないことがわかった。観測を満足する唯一の周期は2.4481日であり、
以下の要素が求められた。Min = 2445227.396 + 2.4481 E GCVSの要素と連結する
とMin = 2425157.27 + 2.4481735 E となる(周期の間違っているような要素と連結
していいのかなぁ)
 食外光度は B=13.2 で、食の中央ではB等級は何と18等以下となる。まともな食変
光星には変光範囲が5等にもなるようなものはちょっとありませんネ。食外変光は
認められない。観測点数が少なく、食は皆既であるかわからないが、グラフでは長
い極小部はないように見える。さらに驚くべきことは V等級のプレートではこれほ
どはっきりした食が見られないことである。平常光度は V=13.2で B-V=0.0 である。
観測されたV等級で最も暗いのは14.2で、極小の色指数はいったいいくらになるので
しょう? しかも数少ない赤外プレートのうち1枚が極小に当たっており、写らな
いほど暗くなっているという。極大光度でのスペクトル観測では早期型のスペクト
ルを示しているとのことである。B光度のグラフでは食の期間は D=0.10P 程度と、
この周期の食連星としては異常に短い。V光度のグラフでははっきりしないが、さ
らに短いように見える。
 私はこれらの事実を統一的に説明できない。周期が間違っているということも考
えられるが・・そこで皆さんもこの星を観測して正体をつきとめて欲しい。参考ま
でに減光時のデータを挙げる。
   2440916.276 B=16.5, 41163.519 B=16.6, 41217.336 B=14.8, 
   41572.371 B=16.6, 41927.400 B=14.0, 43337.522 B=14.2, 
   43462.346 B=14.8, 43462.399 B=14.0, 44015.532 V=13.9, 
   44015.550 B=15.2, 44221.316 B=13.8, 45227.375 V=14.2, 
   45227.396 B>18.0
  GCVSによる位置は 20h44m52s +341.0'である。