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V1413 Aql = AS 338



V1443 Aql = AS338 食のあるZA型星。(分類はNC+Eが正しいでしょう)

  AS338  E+ZAND  10.5−15.0:p

「変光星」9205

☆AS338はNC+E型(加藤氏からのパソコン通信情報)
 U. Munariの論文(Astron. Astrophys. 257, 163-176 (1992))によると、和久田
氏のBulletinの報告をもとに、IUEを使っての分光の結果、この天体が通常の共生星
アウトバーストではなく、新星現象らしい(NC型)ことが明らかになったそうです。
つまりM5(+/-0.5)III型の伴星と Teff>10^5 の成分からなり、高温成分には降着円
盤の証拠が見いだせなかった(新星爆発を起こして高温になった白色矮星と考えら
れる)ということです。高温天体の半径は27太陽半径で、光度は太陽の2000倍だそ
うです。
 極大期のスペクトルはA-F型で、PU Vul,RT Ser類似でこのタイプで明かな食が認
められたのは初めてです。今後食の形態の変化や反射効果がどのように見えてくる
かが測光のポイントとなりそうです。食の長さはWakuda氏以来データが増えていま
せんので、今後の観測でパラメータを改良することもできるはずです。またAFOEV
が熱心に観測を続けているみたいで、データが引用されています。VSOLJの方がた
くさんデータを持っていると思うのですが。

AS338
 この星については長谷川氏の解説が有名であるが、その後文献を見ていると増光
の際に撮られたスペクトルの記述があった。他の Z And型にみられる多数の輝線は
みられず、Hαの輝線を除けばほとんど普通の星と違わず、解説によればB−A型
超巨星に相当するという。国内でもB-V=+0.8と測定されているが、銀河面の空間赤
化を考えればもっともな値であるという。共生星総論にも示されているようにこれ
はNC(RT)タイプの現象に特徴的である。極大後5年を経た現在でも12等台とまだt3
に達していないようである。問題はNC(RT)型で食現象を私は知らない(長谷川氏な
らば知っているかも−この解説のどこかに記載されているかも知れません。)とい
うぐらい珍しいもので、せっかくアマチュアが発見しながら(珍しい現象を目の前
にしながら)その重要性を認識できず、なんら特別な対応を行わなかったことであ
る。PU Vulの時もそうであったが伝統的な変光星発見つまり発見者が追跡観測(主
に光度変化であるが)をして変光タイプを決めるというやり方がこういう重要な天
体には無効であることがあらためて明らかになったわけで(すくなくとも新星の一
種には違いがなかったのであるから)しかるべき機関への連絡がなされるべきであ
ったと思われる。なおASカタログではこの星は11.5等となっているが、そばの星と
の比較に関する記述を見る限りでは極小光度であったと思われ、某K(I?)観測
者と同じぐらいいい加減なデータであることがわかる。