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outburst pattern of FO And
- subject: outburst pattern of FO And
「変光星」1990.03
FO Andの軌道周期・増光パターンについて 激変グループ
Abstract: Three superoutbursts of FO And were observed in 1987 and 1988.
Possible superhumps with a period: 1/P(day)=1/0.07020+n (n:integer) were
observed during a superoutburst in Jan.,1988. Recurrence period of the
superoutbursts is possibly around 150 days, and normal outbursts 10 to 27
days.
FO Andは1966年に発見された比較的新しいUG型であるが、Sonneberg天文台のプ
レート調査によると、明らかにスーパーアウトバーストと思われる増光が認められ、
SU UMa型であることは間違いないものと推定されている(MVS 10,56)。またIBVS2483
によれば、通常の増光の周期は15-23日であるという。しかしこれまでに軌道周期
の測定やスーパーハンプの検出は行われておらず、通常のスペクトルすら最近にな
ってやっと撮られた程度である(AsAp sup 78,145,1989)。
FO Andはスーパーアウトバーストでも13.5等とかなり暗く、普通のノーマルでは
15等付近と、動向を追うことは20cmクラスでもやさしくない。このような暗い星
について眼視観測でどこまで迫れるのかというサンプルとして見ていただきたい。
まず、これまでに観測された増光のリストをあげる。
max mag type interval max mag type interval
1987 08 05 14.4 normal 1988 01 10 13.9 super 22
08 30 13.6 normal 25 08 23 14.2 normal
09 21 13.3 super 22 09 08 14.8 normal 16
10 01 15.0 normal 10 09 30 15.0 normal 22
10 14 15.2 normal 13 10 12 15.4 normal 13
10 28 15.2 normal 14 10 31 13.5 super 19
11 17 14.8 normal 20 12 09 15.0 normal 39
12 13 15.0 normal 26 1989 01 05 15.0: normal: 27
12 17 15.4 normal 4 08 31 14.0 ?
(12 19 15.1 normal 2)
増光間隔については、見逃しを考えるとIBVSの値とよく合っていると思われる。
1987年10月や12月には高頻度の増光が認められるが、これはArm,Myyといった大口径
観測者によるデータなので信頼できるであろう。このように特に活動的な期間があ
るのか、あるいは、10-14日といった周期の方が本当(IBVSの1/2)であるのかは、
これからさらに観測が必要であろう。
スーパーアウトバーストの間隔についてもいくらかの知見が得られた。最初の2
回のスーパーアウトバーストは111日間隔で起こっておりびU UMa型としては相当短
い部類に入る。YZ Cncで134日と言われているが、それに匹敵する。これから推定
すると通常の増光周期が10日程度 でも不思議ではない。次の2回の間隔は294日で
あるが、これは間に合をはさんでいるので、おそらく1回抜けているのであろう。
1989/08/31の増光については天候が悪く、1日しか観測がないのだが、明るさから
みるとスーパーアウトバーストの可能性もある。2回のスーパーアウトバーストの
光度曲線を示す。
さて1988年1月のスーパーアウトバーストに際して一応のスーパーハンプ探しが
行われた。観測された方はご存じの通り、時を同じくしてCY UMaがまれな大増光を
しており、ほとんどの観測者がそちらをやっていたのでFO Andを見ていたひねくれ
者は少ない。連続したデータではK氏がCY UMaとFO Andを1目測ずつ交互に観測す
るというばかげた観測をやったのが一件あるのみである。今ごろになってこの解析
が出てくるのは、当時離散データを扱うよいソフトがなかったからである。
さて、このデータをピリオドグラムにかけてみると割合よい周期性が認められる。
観測時間が短いためにone-day aliasesが著明に認められるのは仕方がない。推定さ
れるスーパーハンプ周期は
1/P = 1/0.07020 + n (n は整数)
である。最も強い2つのピークは 0.06563, 0.07020日である。
1988年10月のスーパーに際して特別な観測は行われなかったため、光度曲線をピ
リオドグラムにかけても有意な周期は出なかった。最近のTT Booなどでもわかるが、
少しでもスーパーハンプの検出を意識した観測がなされていれば、曲がりなりにも
周期が求まっている(この現象を「観測過程における波束の収縮」と呼ぶ)が、1
日に1回といった通常の観測では周期は検出できないようである(当然である)。
他の星の観測の合間にでも、10分に1回程度観測しておけば何らかの成果が得られ
る可能性がある。特にトータルの観測時間の長い人に有効な方法と思われる。
日変研におけるスーパーハンプ検出の歩み
検出時の最大光度
9.0 -|
|
9.5 -| SW UMa
|
10.0 -| T Leo
|
10.5 -|
|
11.0 -|
| VY Aqr SU UMa
11.5 -| TY Psc
|
12.0 -|
| CY UMa
12.5 -| AQ Eri
| AW Gem
13.0 -| TT Boo
|
13.5 -|
| FO And
14.0 -|
|
--------|-----------|-----------|-----------|-----------|
1986 1987 1988 1989