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[vsolj-alert 100] SN 1998bp in NGC 6495
- Date: Fri, 1 May 1998 11:47:58 +0900 (JST)
- To: vsolj-alert@ooruri.kusastro.kyoto-u.ac.jp
- From: Yamaoka Hitoshi <yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp>
- Subject: [vsolj-alert 100] SN 1998bp in NGC 6495
- Cc: yamaoka@rcsvr.rc.kyushu-u.ac.jp
- Sender: owner-vsolj-alert@ooruri.kusastro.kyoto-u.ac.jp
山岡@九大理 です。
またもや注目に値する超新星の出現です。何かこのところ多いので狼少年みた
いに思われるといけませんが、今回のものは、Ia型超新星の絶対光度に関する
研究を大きく進展させるかもしれない、重要なものになりそうです。
IAUC 6890, 6891によると、イギリスのアマチュア天文家アームストロングさ
んが、4月29.074日UTに撮影した画像から、楕円銀河NGC6495に新しい恒星像を
見いだしました。位置は、イギリスのグループの測定では赤経17h54m50s.71、
赤緯+18o19'49".3、ダイニックの杉江さんの測定では50s.72, 50".2で、銀河
の中心から北に約15"のところにあたります。
これまでの報告では明るさは、
1998 3/20.283 >16.7 CCD
4/29.074 14.8 CCD
29.135 14.7 CCD
30.54 14.9-15.1 V
ということです。
スペクトルが2つのグループによって観測されています。いずれのグループも、
SN 1998bpは特異なIa型超新星で、極大に近い頃だと報告しています。Ia型超
新星の特徴は、615nm付近に深い吸収が見られることで、これは静止系で635nm
のSi IIだと考えられていますが、SN 1998bpではこの吸収が他のスペクトル線
に比べて弱く、580nm付近の吸収(静止系で596nmのやはりSi IIと考えられてい
る)が比較的強いのが、非常に暗かったIa型超新星1991bgと似ていると言って
います。色も、星間吸収は少ないのに典型的なIa型超新星の極大時よりはやや
赤いようです。ただし、P Cyg profileを呈している、というのはちょっと疑
問(普通、極大付近のI型超新星は、吸収のみが目立っていて輝線はあまりない)
ですし、青い側のスペクトルは1991bgとは似ていないようです。総体的に見て、
なかなか特異なものです。
母銀河の後退速度は、文献や、上記の輝線からの測定で、
CfA redshift catalog 3208 km s-1
Di Nella et al. 3127
今回の輝線観測 4500
という値が与えられています。これらから判断すると、この母銀河は、おとめ
座銀河団の3-4倍遠くにあるようです。典型的なIa型超新星が、おとめ座銀河
団の3倍の距離にあると、極大光度は14.7等ほどになると予想されるのですが、
これと上の測光結果を比べると、1998bpはそれほど暗くなく、ほぼ典型的なも
のと同じ、ということになってしまいます。さきほど挙げたSi IIの吸収線の
強度比は、Ia型超新星の明るさの指標と言われている(Nugent et al., 1995,
ApJ, 455, L147)のですが、それを覆すような話なのです。
今後、測光などのフォロー観測が強く期待されます。特に、極大後の減光率の
決定(これもIa型超新星の絶対光度の指標と言われている、Phillips, 1993,
ApJ, 413, L105)は、今後の大きな目標でしょう。是非注目してみてください。
九州大学(六本松地区)理学部物理学教室 山岡 均
〒810-8560 福岡市中央区六本松4-2-1
yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp
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