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[vsolj-alert 26] Bright outburst of CR Boo



Bright outburst of CR Boo
CR Booの明るいアウトバースト

 ヘリウム激変星として知られるCR Booが明るいアウトバーストを起こしていること
 が報告されています。以下 vsnet-alert に投稿の記事です。

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Bright outburst of CR Boo

   Gene Hanson reports that the helium cataclysmic varaible CR Boo is again
undergoing a bright outburst (cf. vsnet-alert 1402, 1404).

  YYMMDD(UT)   mag  observer
  980102.506   136  (G. Hanson)
  980102.801  14.88V  (Ouda team)
  980106.446  <154  (G. Hanson)
  980106.458  <154  (G. Hanson)
  980106.469  <154  (G. Hanson)
  980106.478  <157  (G. Hanson)
  980106.490   163: (G. Hanson)
  980107.417  <154  (G. Hanson)
  980107.428  <154  (G. Hanson)
  980107.438  <157  (G. Hanson)
  980107.448  <157  (G. Hanson)
  980107.458  <157  (G. Hanson)
  980108.412   140  (G. Hanson)
  980108.430   139  (G. Hanson)
  980108.438   138  (G. Hanson)
  980108.449   137  (G. Hanson)
  980108.460   137  (G. Hanson)

   The persistent bright state, compared to the Jan. 2 outburst, may indicate
the start of a new supercycle.  As in inferred from Patterson et al. (1997),
this star seems to show large-amplitude (up to 1.2 mag) oscillations with
a typical period of 19 hr, especially at the beginning of the "superoutburst".

   Dense observations, especially at different longitudes, are highly
encouraged particularly at this stage of the outburst.  Charts and previous
materials are available from

http://vsnet.kusastro.kyoto-u.ac.jp/vsnet/DNe/crboo.html

Good observing!
Taichi Kato
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 この天体については、vsolj-sci を購読の方にはお伝えしましたが、最近の観測
 から、スーパーサイクル周期が40-50日ぐらいの、通常の激変星で言えばER UMa型
 に対応するようなアウトバーストパターンを持ったヘリウム激変星ではないかと
 思われる結果がでています。この周期性は主に昨年の観測から導かれたものです
 が、今年に入ってもこの周期性が延長できる様相を呈しており、今回のアウトバ
 ーストがスーパーアウトバーストのスタートであるかどうかの確認が、この天体
 の正体解明に大変重要になってきています。特に短い方のアウトバーストの減光
 レートが 2.7mag/day とめちゃくちゃに速く、明るい状態(例えば14.5より明る
 い)で観測できる期間が半日にも満たないため、アメリカでアウトバーストが観
 測されても日本ではすでに減光しているぐらいで、また長いアウトバースト中に
 19時間周期程度の最大1.2等の変動が観測されることから、異なる経度での観測が
 極めて重要になってきます。

 以前 Provencal et al. (1991) が Whole Earth Telescope(世界の望遠鏡ネット
 ワークを用いて24時間連続観測する)を用いてこの天体を観測していますが、
 ここまで具体的なアウトバースト周期などはやはりわかりませんでした。Patterson
 et al. (1997) が呼び掛けて、大宇陀観測所も一緒に行ったCCDによる時間分
 解の連続観測(1996が主)でも観測期間に限りがあったためやはり全貌の確認には
 至らなかったのですが、眼視観測の長期モニターの威力によってようやく全貌が
 わかりはじめている印象を受けます。現在は夜半後の天体で、また少し暗いため
 にやや大変ではありますが、今年はぜひ集中的にモニターして正体を暴いてみま
 せんか? CCD測光による短時間変動のモニターは少し難しい観測ですが、ス
 ーパーアウトバーストの期間は0.05等ぐらいの1490秒振動がみられるので、チャ
 レンジしてみるのも興味深いと思います。チャートは上記のURLのページに掲載
 されていますので、なるだけ統一したスケールでの観測が望まれます。

 以下、参考までに今年の春の天文学会予稿として出したものです。

% 題名
\title{CR Booは``ER UMa型"ヘリウム激変星か?}

% 著者(複数の場合は「、」で区切)
\author{加藤太一、野上大作、馬場肇}

\begin{document}
% 本文開始
CR Boo(=PG~1346+082)は、紫外線過剰天体として発見されたが(Green et al. 1986)、
13.6--17.5等の広い範囲を変動すること、スペクトルに水素ではなくヘリウムの
線が卓越してみられること、1490秒周期が観測されることなど、特異な天体である
ことが知られている(Wood et al. 1987)。この天体は周期約1490秒の、白色矮星と
ヘリウム白色矮星からなる近接連星であると一般的に解釈されている。
Provencal et al. (1991) はWhole Earth Telescopeによってこの天体の測光を行い、
SU UMa型矮新星に類似したアウトバーストのパターンの一部を記録している。
Patterson et al. (1997) はさらにのべ180日の観測から、この天体が19時間の周期
で1.2等の振幅のアウトバーストを起こす「ヘリウム矮新星」であり、常時観測され
る1471秒の周期が軌道周期で、1487秒の周期がスーパーハンプ周期ではないかと結論
している。しかしながら、Patterson et al. (1997)の報告するアウトバースト振幅
はWood et al.(1987)のものと大きく違うことや、短い周期で起きるアウトバースト
の期間にスーパーハンプとされる現象が観測されていることなど、通常のSU UMa型
矮新星の挙動とは必ずしも整合性が良くなかった。

我々は、この天体のより長期の挙動に着目し、京都大学大宇陀観測所の観測、およ
びVSNETに報告された観測を分析することによって、この天体はPatterson et al.
(1997) の報告するような長く続く明るい時期の他に、短いアウトバーストのみを
示す暗い期間がほぼ同期間存在し、それが約40--50日で交代することを見出した。
我々はさらに1998年1月2日にHansonによって報告された短いアウトバーストの時間
分解測光に成功し、このアウトバーストが2.7 mag d$^{-1}$ というこれまでに観
測されたことのない急速な減光を示したことと、その期間に1490秒周期がほとんど
(0.01--0.02 mag以下)観測されないことを明らかにした。この結果から我々はこの
短いアウトバーストこそがこの天体のノーマルアウトバーストで、約1490秒の周期
性を持続的に示し、長く続くアウトバーストはスーパーアウトバーストであると同
定した。長期の光度変化と組み合わせると、この天体はスーパーサイクルが40--50
日、duty cycleが50\%、ノーマルアウトバーストの間隔が4--8日という、通常の激
変星でER UMa型矮新星と呼ばれる天体の特徴に酷似していることがわかった。

% 本文終了
\end{document}

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