[Message Prev][Message Next][Thread Prev][Thread Next][Message Index][Thread Index]

[vsnet-j 2065] vsolj-news 089: SN 2002cr in NGC 5468



vsolj-news 089: SN 2002cr in NGC 5468

                        VSOLJ ニュース (089)

     山梨県の串田麗樹さん、NGC 5468に超新星2002crを発見

                                         著者  :山岡 均(九大理)
                                         連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

  2002年に入ってから4か月が経ち、1年の1/3が過ぎましたが、この間には日
本人による彗星・新星・超新星の発見がたいへん多数相次ぎました。それに引
き続くかのように、5月に入ってすぐ、山梨県の串田麗樹さんが新超新星を発
見されました。串田さんは、暗いIa型超新星としてたいへん注目された超新星
1991bgを発見されて以来、超新星を10個以上発見(独立発見を含む)してこられ
たベテラン超新星ハンターです。

  IAUC 7890によれば、超新星2002crと命名されたこの天体は、5月1.701日(世
界時、以下同様)に撮影されたフィルターなしCCD画像で16.5等の明るさで発見
され、翌夜の2.467日に16.2等で確認されています。超新星の位置は赤経14時
06分37.59秒、赤緯-05度26分21.9秒(2000年分点)、母銀河であるNGC 5468の中
心から東に40秒角、北に50秒角ほどの位置にあたります。NGC 5468は、おとめ
座の東部にある、正面を向いた渦巻銀河で、超新星は北東側の淡い腕の先端近
くにあります。銀河中心の真北や真東には、銀河円盤部に重なって前景の星が
ありますので、超新星の同定には注意が必要です。

  この銀河には、1999年にも超新星が出現しました。この超新星1999cpは、極
大が14等ほどにも達したIa型のものでした。今回の超新星2002crも、Ia型であ
れば同程度の明るさにまで達すると期待されます。今後の明るさの変化や分光
観測によるタイプ決定がたいへん望まれます。

Reference: IAUC 7890 (2002 May 2)

							2002年 5月 3日

※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開
  等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典
  を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、
  VSOLJの速報メーリングリスト vsolj-alert にご加入いただくと便利で
  す。また、これらの天体についての科学的議論のためのメーリングリスト
  vsolj-sci もご利用いただけます。購読・参加お申し込みは
  vsolj-adm@ooruri.kusastro.kyoto-u.ac.jp まで。
  なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。

VSNET Home Page

Return to Daisaku Nogami


vsnet-adm@kusastro.kyoto-u.ac.jp