(fwd) IV Cep 蜂巣さんから以下の投稿をいただきました。 ---- recurrent nova (反復新星)の候補 IV Cep (Nova Cephei 1971) ---- VSNET の Web site で novae の light curve を見ていましたら、 IV Cep (Nova Cephei 1971) の light curve http://ftp.kusastro.kyoto-u.ac.jp/pub/vsnet/Novae/lc/ivceplc1.gif が CI Aql に良く似ているのではないか、と気づきました。特徴としては、 (1) 爆発初期のほぼ linear (直線的)に減光する期間 --- 40-50 days 爆発の真の peak はのがしていますので(V=8程度で発見)、peak の値は V=7.5程度と見積もられていますが、正確なところは良く分かりません。 V=8から3等減光した時間は、t3=37 days となっています。 (2) plateau(プラトー)と呼ばれるほとんど減光しない平らな期間 --- 100-200 days 100 日程後に V=12 mag から V=13 mag へ減光したのは、CI Aql との 比較で言えば、wind phase が終了したことに対応するかもしれない。 *(3) 最後のゆっくり減光する cooling phase 白色矮星上での定常的な水素殻燃焼の火が消えてからです。 (IV Cep での観測はありません。CI Aql はありますが。) U Sco や CI Aql で、プラトーの時期があるということは、理論的には 太陽半径程度か、もう少し大きめのサイズの降着円盤が中心の白色矮星 (定常的な水素殻燃焼)に照らされて、明るくなっているとすると、よく 説明できます。特に、U Sco の1999年爆発の場合は、プラトー期に supersoft X-ray がうかり、白色矮星上での水素殻燃焼と、それに照ら された明るい降着円盤の存在がほぼ確かなものとなりました。 比較的大きな降着円盤サイズを期待すると、U Sco や CI Aql と同じように、 連星軌道周期は日(0.5-3日)の程度であろうと推測されます。また、爆発が あっても、降着円盤が際だって残ることから、質量降着率が大きいと考えられます。 以上のことから、IV Cep も recurrent nova (反復新星)である可能性が大きいと 思われます。 *************************************************************** (a) モニターする天体の中に IV Cep をぜひ追加しておいてください。 ただ、爆発間隔は長いかもしれません。 (b) この天体の quiescence における light curve が観測できるので したら、ぜひ一度試みてくれませんか。軌道周期が確定できたら すばらしい。 *************************************************************** ちなみに、ADS で関連論文をサーチして見ましたところ、quiescence の 明るさで V=16.4 Ringwald et al. MNRAS 281, 192 (1996) 17.1 Harrison & Gehrz AJ 101, 587 (1991) 15.4 Robinson AJ 80, 515 (1975) などの値が散見されます。 なお、どのくらい信用おけるのか分かりませんが、爆発時の line の観測から、 He/H = 0.31 September 22 He/H = 0.40 October 28 (number ratio) という helium-rich な値と、CNO の overabundance が de Freitas Pacheco (MNRAS 181, 421, 1977) によって求められています。 蜂巣