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[vsnet-j 1463] Re: WZ Sge superhumps



Re: WZ Sge superhumps

 さっきから雷で2回停電があって、解析マシンがfsckの途中で落ちたため、ちゃ
 んと復帰してくれるかちょっと心配です。

#まだ停電があるかも知れないので、VSNET/VSOLJ MLがおかしかったらそのためだと
#思ってください。

> でも、1978年のPattersonの観測とかを見ていると、12/1にはすでに、それらしい
> 光度変化をしていましたね?

 1978年のは、12/1 はまだ early superhump で、2001年でもこれまで観測されて
 きたものと同質です。1978/12/12までは確実にearly superhumpと同定できますが、
 それ以降が違っています。

 一番最初にスーパーハンプらしき兆候が観測されたのが Heiser, A. M. and
 Henry, G. W. (1979) IBVS 1559 で、これは生の測光値と光度曲線が付いていま
 すのでわかりやすい。スーパーハンプだ、と言ったのが Bohusz, E. and
 Udalski, A. (1979) IBVS 1583 で(これよりも前に言った人がいたかも知れま
 せんが文献上は調べられませんでした)、O-C のグラフも、early superhump
 の primary/secondary maxima もきちんと出されており、よく引用されている
 Patterson et al. (1981) PASP 248, 1067 は、この論文に自分たちのデータを
 ちょっと足して解釈を加えただけで、しかもスーパーハンプが出てからの観測が
 あまりまともなものがありません。「これぞWZ Sgeのスーパーハンプ発見」の
 論文とは言い難いです。むしろ「WZ Sgeのアウトバーストはmass-transfer burst
 で起きた」ことを主張した論文、とみた方が正しそうです。

 ということで、1978年のスーパーハンプを調べるには Bohusz, E. and Udalski, A.
 (1979) に戻るのが正当なのですが、困ったことにこの論文は極大時刻と、自分
 たちが求めた周期で fold した結果しか与えられていないので、独立に検証する
 ことができないのです。「WZ Sgeのスーパーハンプ発見」はこの研究がオリジナル
 と言えると思っていますが、一方で、もし周期同定が誤っていたとしたら、それは
 この論文の責任、ともいえます。

> つくばはもっと悲惨です。きっと。
> 台風が過ぎてくれればと思っているんですが、どうなるでしょう?
> 8/9-8/12は、実家にこもるので観測が出来ません。
> それまでに、1晩でいいから晴れてくれると良いのですが。

 うーん、そうなんですか。週間天気予報ではこちらは結構良いのですが、昼間が
 暑すぎて大気の状態が不安定になりやすく、なかなか回復しないことがあって困
 りものです(朝は大抵晴れているのですが)。

tkato

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