[Message Prev][Message Next][Thread Prev][Thread Next][Message Index][Thread Index]

[vsnet-j 1379] 画像情報検索サービス

MISAOプロジェクト・アナウンスメイル (2001年7月7日)

MISAOプロジェクトの吉田誠一です。

MISAOプロジェクトにご提供頂いた画像のうち、これまでに検査が終了し、デー
タベースに登録されたものは、45090枚になっています。

MISAOプロジェクトのデータベースは、これまで公開されていませんでした。
しかし、何人かの方から、いつ、どの辺りを撮影し、何等星星まで写っている
画像が存在するかを、調べられるようにして欲しい、という要望を頂いていま
した。

そこで、画像情報データベースを検索するWWWサービスを作成し、本日公開致
しました。

画像情報検索サービスのURLは、次の通りです。

  http://vsnet.aerith.net/misao/service/info_search-j.html 

江崎裕介氏、大倉信雄氏、門田健一氏、川上研治氏、京都大学チーム、清田誠
一郎氏、鈴木雅之氏、鳥居研一氏、中村彰正氏、福島英雄氏、村松利一氏（五
十音順）から、画像情報の公開許可を頂き、検索できるようになっています。

検索サービスでは、画像ファイル名、撮影者名、画像の撮影日時、サイズ、中
心の赤経赤緯、画角、極限等級、などの情報が得られます。

残念ながら、画像そのものは公開されていません。検索した画像を必要とされ
る方は、撮影者のメールアドレスが公開されている場合は、直接撮影者の方に
ご連絡するか、もしくはMISAOプロジェクトのスタッフ（comet@aerith.net）
宛にご連絡下さい。

画像情報検索サービスのページでは、MISAOプロジェクトの画像が天空のどの
領域を何等まで網羅しているかを示す、カバーマップも公開しています。現在
のカバー率と画像枚数は、次の通りです。

  赤緯-40度以北のカバー率
  ------------------------
   8等まで  76.4%  45037枚
  10等まで  31.3%  44392枚
  12等まで  23.1%  43854枚
  14等まで  17.4%  27953枚
  16等まで   6.0%   9223枚
  18等まで   0.2%    576枚

このサービスでは、赤経、赤緯を指定する方法と、軌道要素と期間を入力する
方法の、2通りの検索が行えます。

例として、先日発見された「さそり座新星」の画像を検索してみます。IAUC
7647 から調べて、新星の位置を

    赤経：17 57 06.98
    赤緯：-32 23 05.0

と入力します。10等以上までカバーしている画像を検索するように設定し、
Searchボタンを押すと、下記の通り、３枚の画像が存在することが分かります。

Date                Image                                 Observer
------------------------------------------------------------------------
1998 June 20.66016  19980620/105mm/1810-3400-01.fts       KenIchi Kadota
2000 Feb. 24.84247  20000224/530mm/1800-3200-none-01.mtf  KenIchi Kadota
2000 Feb. 24.84301  20000224/530mm/1800-3200-none-02.mtf  KenIchi Kadota

約５万枚の画像が登録されていますが、検索は３秒で終了しました。但し、時
間はインターネットやサーバの混雑状況によって変化しますので、注意して下
さい。

IAUC 7647 では、2000年2月24日の門田氏の画像で、14等より明るい星が写っ
ていないことが報告されています。MISAOプロジェクトで検査した画像につい
ては、このような過去画像の調査も行えるようになります。

次に、軌道要素を入力しての検索の例として、1999年に６等になったリー彗星
（C/1999 H1）の画像を検索してみます。吉田誠一の彗星カタログのページ：

  http://vsnet.aerith.net/comet/catalog/1999H1/1999H1-j.html

から、この彗星の軌道要素を入力して、1999年9月1日から11月1日までの２ヵ
月間の、13等以上までカバーしている画像を検索してみます。すると、門田健
一氏と鈴木雅之氏の、合計91枚の画像が存在することが分かります。

軌道要素を入力すると、検索範囲が広がるため、時間がかかるようになります。
この例では、検索に45秒かかりました。

画像情報検索サービスの出力結果には、検索した天体が画像内のどの位置にい
るかが、(x,y)座標で出力されます。これを基に、画像を調べて、天体が写っ
ていないかどうかを、すぐに調べることができます。

また、データベースに登録されている画像は、すべてPIXYシステムで検査され
ているため、原則として、画像内の星の位置と光度はすべて測定されています。
画像そのものではなく、測定された天体の位置や光度のデータを必要とされる
場合は、MISAOプロジェクトのスタッフ（comet@aerith.net）宛にご連絡下さ
い。

MISAOプロジェクトの画像やデータを、より多くの方にご活用して頂ければ、
嬉しく思います。

P.S.
過去のMISAOプロジェクト・アナウンスメイルは
  http://vsnet.aerith.net/misao/index-j.html
で閲覧できます。

--
吉田 誠一 / Seiichi Yoshida
comet@aerith.net
http://vsnet.aerith.net/index-j.html

VSNET Home Page

Return to Daisaku Nogami

vsnet-adm@kusastro.kyoto-u.ac.jp