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[vsnet-j 1314] PIXY System 2 released.
- Date: Tue, 12 Jun 2001 21:30:22 -0500
- To: vsnet-j@kusastro.kyoto-u.ac.jp
- From: Seiichi Yoshida <comet@aerith.net>
- Subject: [vsnet-j 1314] PIXY System 2 released.
- Sender: owner-vsnet-j@kusastro.kyoto-u.ac.jp
吉田誠一です。
最近あまり大きな機能追加をしていないので、PIXYシステム2の正式リリース
をしていなかったのですが、細かい修正が積み重なって来ていましたので、と
りまとめて、正式にリリースしました。新しいバージョンは2001年6月3日版と
なります。
MISAOプロジェクトのホームページからダウンロードできます。
http://vsnet.aerith.net/misao/index-j.html
前回から追加された機能は、こんな感じです。
・星図表示での光度システム設定
カタログを読んで星図を描く時に、明るい星ほど大きく描きますが、その基
準となる光度システムを自在に設定できます。例えば、USNO-A2.0の場合は
B, R, 暫定V の3通りから選べます。Tycho-2 の場合は、標準V、標準B、標
準Rc、Vt, Btの5通りから選べるだけでなく、B-Vの係数を指定して、任意
のシステムに合わせて星図を描くことができます。
検査後の同定オーバービューチャートでも同様で、カタログのマークの一覧
表からマークの部分をダブルクリックすると、設定できます。
・VSNET/VSOLJ形式での光度データ出力
赤経、赤緯を指定すると、データベースを検索して、光度をVSNETやVSOLJの
形式で出力できるようになっています。MPREやMisVの発表メールに載せてい
る光度データは、この機能で出力したものです。GUIではなく、隠しオプショ
ンの1つです。
・Tycho-2 Catalogue のサポート
標準光度が載っているカタログです。
・GSPC (Guide Star Photometric Catalog) のサポート
標準光度が載っているカタログなのですが、星数が少ないので、事実上使っ
ていません。
・符号なし16ビット整数FITSのサポート
ビットランのCCDソフトで保存すると、符号なし16ビット整数のFITSになっ
てしまうので、それを読み込めるようにしました。バッチファイルを使った
検査では後述の format 属性で、画面からの場合はファイルタイプで
「Unsigned FITS」を選ぶことで、読み込めます。
・XMLの <image> 要素の属性に format
format="fits" と指定すれば、拡張子が .fit 等でなくても、FITSファイル
として読み込めます。また、符号なし16ビット整数FITSの場合でも、
format="unsigned-fits" と指定することで正しく読み込めます。無指定の
場合は、ファイルの拡張子からシステムが自動判定しています。
・デフォルトのカタログパス指定
メニューの「Configuration」から、デフォルトのカタログパスを指定でき
ます。いつも同じ場所にカタログを置いてある場合、ここで指定しておくと、
画像検査や星図作成時にカタログパスを何も指定しなくても良くなります。
・パスの複数指定
デフォルトのカタログパス指定や、カタログの読み込みなどで、パスを指定
する場合に、複数のパスを同時に指定できるようにしました。例えば
USNO-A2.0のファイルが C:\usno2 と D:\usno2 にある場合は、
「C:\usno2;D:\usno2」と指定できます。UNIXの場合は : で区切ります。
・gzip されたファイルの読み込み
カタログと、検査結果のXMLファイルについては、gzipされていても、され
ていなくても、読めるようにしました。
・PPMフォーマットのサポート
画像フォーマットの1つです。PIXYシステムがリストアップした新変光星候
補については、WWWブラウザでサムネイル画像とデータをまとめて表示して、
手軽に本物を探せるようにしていますが、そのサムネイル画像は、PIXYが
PPMで出力した後で、別のツールでGIFに変換しています。
・ダーク、フラット補正
京都大学チームの画像のダーク、フラット補正をするのに使っています。お
まけに、元のFITSヘッダの内容も保存できるようにしています。ダーク、フ
ラット補正はPIXYシステム本体には組み込まれていません。別のツールになっ
ています。
・メモリ上の仮想カタログ
Tycho Catalogueはファイル1つだけでインデックスが無いので、アクセス
はかなり遅いです。そこで、京都大学チームの画像を検査する場合のように、
特定の赤緯のデータだけが必要な場合は、予めその赤緯付近のデータだけメ
モリ上に読んでしまい、各画像の処理ではそのメモリ上のデータを読むよう
にしています。但し、この機能はPIXYシステム本体には組み込まれていませ
ん。
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吉田 誠一 / Seiichi Yoshida
comet@aerith.net
http://vsnet.aerith.net/index-j.html
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