Re: vsolj-news 056: bright SN 2001bg in NGC 2608 山岡@九大理 です。 > 母銀河であるNGC 2608はかなり私たちのご近所にある銀河です。この銀河に >は、過去に別の超新星1920Aが出現していますが、これは12等前後で観測され >ており、おとめ座銀河団での典型的なIa型超新星とほぼ同じくらいの明るさで >した。これからすると、NGC 2608は、おとめ座銀河団とほぼ同じ距離と考えら >れ、Ia型では12等、その他の型でも14等程度の極大が期待できます。今後のス >ペクトル観測による型の決定と、継続的な光度観測が望まれます。 超新星2001bgのスペクトル型は、ぐんま天文台(IAUC 7622)およびホイップル 天文台(IAUC 7626)の観測から、Ia型であることが判明しました。また、後者 のスペクトルから、この超新星が、母銀河やわれわれの銀河系の星間物質によっ て、かなりの吸収を受けていることも明らかになっています。このため、超新 星2001bgは、吸収がない場合の予想よりも2等ほど暗く推移しています。 この超新星は、5月10-15日ころに極大となり、現在は徐々に減光しているとこ ろと言えます。Ia型超新星の中でも、明るいものほど減光がゆっくりしている ことが知られており、今後の測光観測によって減光率が求められると、超新星 本来の明るさが推定できるでしょう。 九州大学(六本松地区)理学部物理学教室 山岡 均 〒810-8560 福岡市中央区六本松4-2-1 yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp