山岡@九大理 です。 > 極大光度の 13.7はこの視線速度から予測される極大光度によく合っていて、 >自然な SN Ia っぽいですが、SN1920A がなぜ12等までなったのか(あるいは >なぜそういう数字が残されたのか)を逆に調査してみた方がよいかも知れま >せん。 あれ、どこかで書いたつもりだったんだが……。 SN 2001bgは、母銀河の中の星間雲によって、かなり深い星間吸収を受けてい ます。IAUC 7626でCfAのスペクトル観測があり、Na I Dの吸収がEW = 0.15 nm くらいあると報告があります。ぐんま天文台でのスペクトル(IAUC 7622)では、 ノイズに埋もれて見えませんでした。 このくらい吸収があると、V等級で2等以上暗く見えます。すなわち、もし吸収 がなかったら、このSN 2001bgは12等級より明るくなったはずです。SN 1920A のほうは、母銀河から離れていたこともあり、母銀河による吸収は少なかった んでしょう。SN 1920Aは、発見等級が11.8等で、もっと明るい記録もありまし たが、それはちょっと間違いかも……と思い、IAUCではあのような表現になり ました。 この銀河は、視線速度から予想されるよりずっと近くにあるのは確かです。 > なんだか12等になるかも知れないという情報が独り歩きしているみたいで、 > すでに減光中の今も「まだ見えてこない」「いつ増光するんだ」とか観測 >者の間で話がでているようです(+_+)。 あれ、どこで出てましたか? そちらでも補足記事を書かねば。 九州大学(六本松地区)理学部物理学教室 山岡 均 〒810-8560 福岡市中央区六本松4-2-1 yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp