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[vsnet-j 428] V425 Cas (Gakkai)
- Date: Sat, 6 Jan 2001 21:16:41 +0900 (JST)
- To: vsnet-j
- From: Taichi Kato <tkato>
- Subject: [vsnet-j 428] V425 Cas (Gakkai)
- Sender: owner-vsnet-j@kusastro.kyoto-u.ac.jp
V425 Cas (Gakkai)
天文学会予稿に以下のものを提出しました。
#最近の各種華々しい現象・天体については他の方からも発表の紹介があることと
#思います。
{VY Scl型激変星V425 Casの特異な短周期変動}
{○加藤 太一、植村 誠(京大・理)、Timo Kinnunen(VSNET Collaboration Team)}
VY Scl型星は、普段は明るい状態を保っているが、数か月から数年ぐらいの間隔
で、一時的に2--6等の減光を示すタイプの激変星である。このような減光の根本
原因はまだよく解明されていないが、伴星からの質量移動が何らかの原因で一時
的に大きく減少すると考えられている。最近になって、VY Scl型星であるV751 Cyg
の減光中に超軟X線が輻射されていることが発見され(Greiner et al. A\&A 343,
183)、白色矮星表面で定常核燃焼が起きている可能性が示唆され、超軟X線源
(SSS)との類似性から注目を集めている天体である。
我々は、VY Scl型星の一つであるV425 Casが1997年以降、明るい状態より約1--2等
減光した状態にあることに気付き、1998--1999年の2シーズンの測光観測を行った。
1998年の観測から、この天体が、数日周期の大振幅(約1等級)の安定した振動を示す
ことが明らかになった。観測された変動は2.65日の周期でよく表すことができる。
より短い周期の可能性を完全に否定するものではないが、発表されている軌道周期
(0.1496日)ではこの変動を説明できない。変動振幅の大きさから、矮新星型の降着
円盤不安定が起きている可能性が考えられるが、このような短周期で増減光を繰り
返す矮新星はこれまでに知られていない。なお1999年にはこの振動は見られなくな
った。
この現象を理解する一つの可能性として、たとえばV751 Cygで提唱されているよう
な定常核燃焼によって加熱された白色矮星からの照射によって降着円盤の熱的不安
定性が抑制され、質量移動率が適度に低下した状態で、降着円盤外縁でのみ矮新星
型の不安定が生じている状態が考えられる。VY Scl型星で見られる降着円盤不安定
モデルからの逸脱(Leach et al. 1999, MNRAS 305,225)とともに、白色矮星からの
照射効果の新たな証拠となるかも知れない。
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