[Message Prev][Message Next][Thread Prev][Thread Next][Message Index][Thread Index]
[vsnet-j 206] Re: CCD vs visual observations
- Date: Tue, 14 Nov 2000 17:23:40 +0900 (JST)
- To: vsnet-j
- From: Taichi Kato <tkato>
- Subject: [vsnet-j 206] Re: CCD vs visual observations
- Sender: owner-vsnet-j@kusastro.kyoto-u.ac.jp
Re: CCD vs visual observations
> 眼視観測のことですけど、人の数だけあるわけですから、いざ緊急の現象
> のときに有効だと思っています。CCD観測はお金がかかるし、だれでもできるとい
> うものではないです。だけど、眼視の場合、比べ物にならないくらい安いですね。
コストの問題ですが、これが必ずしもそうでもなくなって来ている、というのが
一つの動機なのかも知れません。
たとえば、屋上で使っているシステムで、購入時に望遠鏡30万、CCD40万
ぐらいだったかと思いますが、望遠鏡の方は眼視観測でも(同じぐらいの等級の
星を観測するならば)必要なので、差額はCCD分、ということになりますね。
(PCなんかも必要ですが、これからの人はほとんど持つだろうし)。そのCCD
が100万もしていたらとてもお話にならなかったのが、高級アイピース数個分ぐら
いでそこそこの性能のものが手に入るようになったら、「CCDは高い」はもし
かすると過去の話になってしまうのかも知れません。まだまだCCDは扱いが難
しいのですが、アイピース代わりに差し込んで、ボタンを押せば等級が出るよう
になったら、わざわざ眼視観測するまでもないかも?なんて時代が来るのかも。
#あるいは望遠鏡買ったらアイピース並みに標準付属品に入っていたり、なんてこ
#とはないでしょうか??
> それだけに、突発緊急現象で何とかしなければならないときには眼視観測者が必要
> になってくると思います。それすらいらないと考えたのかな。。それならいいけど、
> そこを見えなくて議論を起こしたならskiffって浅はかだなと思います。^^;アマチ
> ュアのモチベーション管理もする立場だと思うんだけど。
うーん、このところの議論をみていると、「いらない」と考えているような気が
しないでもないです。眼視観測のすばやい対応よりも、正確なCCD観測の方が
よっぽど重要、みたいな雰囲気を感じます。
ちょっと興味深いことに、AAVSOでこういう議論が起きるとこれまではたいてい
多くの反論があったり(実際Mattei自身が出てきたこともある)するのですが、
(もちろん今回もありますが)どうも雰囲気がこれまでとちょっと違うようなの
です。たとえばこういう話題だと「データの継続性」などが主張されることが多
かったのですが、もうそこにはこだわる必要はあまりない、とみんな感じ始めて
いるのかなあ、とか思うわけです(実際、太陽の黒点観測とか惑星のスケッチの
継続性が重要なので、今後の観測者にも薦める、という記述も日本の雑誌で最近
あまり見なくなっているような気がするし ... 昔継続性が大事なので、と言わ
れていたのは実は嘘だったのだろうかと ...)。
さらに、AAVSO自身が最近ディジタル観測の分野に随分力を入れている(たとえば
GRBのCCD観測を奨励しているなど)など、もしかすると本質的な転向を計ろうと
いう考えがあって、これは単にその一つの現れなのかも知れない気がしてきまし
た。というのも、その昔は inner sanctuum のような概念があって、暗い変光星
の目測を高く評価していたのですが、例えば今後はCCDや光電測光観測と眼視観測
に別評価を与えることで、CCDや光電測光こそAAVSOの変光星観測の進むべき、み
たいな方向に会を性格づけすることも十分考えられるように思います。もちろん
一気に進むとは思えないけど。例えば会としての性格付けは「科学的価値の高い」
CCDを主体とし、眼視観測は「二流データ」として(実際それに近い表現を出した
人もあった)別扱いで、報告する人がなくなれば窓口を閉めてしまう、とか。
眼視観測は教育目的のみで用いる、という方向も考えられると思います。
たとえば、「うちは一流のCCD測光だけを扱って、二流の眼視観測はそれ専門に
やってるグループに任せよう」(AAVSO全体が簡単にそうなるとは思えませんが、
AAVSOの中でCCDグループが独立して、そちらが実質上そのような行動を起こすこ
とも全然可能性がないわけではないように思えます)、となってもおかしくない
ような気配(たとえばアメリカでCCDの普及率が十分上がっていれば、痛くもか
ゆくもなく、しかも面倒な部分を捨てて「科学的価値」の高い部分に専念できる
わけだし、会の目的としてはいいところばかり...)。ちょうどかつてインター
ネットが世界標準となって行ったように・・。
単なる杞憂かも知れませんが、そんな風になって行ってもいいのでしょうか、と
も思います。もし、世界がCCDに一本化されるのはあんまりで、CCDと眼視観測の
融合(両立)の必要性を本格的に考えるのであれば、何か海外にもわかる形でイ
ニシアティブを取らなくてはいけない時期が来ているのではないかも、という気
もします。例えば突発天体に対する眼視観測の(少なくともこれまでの)有効性
は世界で誰でも知っているわけだし、何かそれ以上に継続性を必要とする「何か」
が必要とされているのではないか..?
関連することかも知れませんが、AAVSO Circular が今年末で30年の歴史に幕を
閉じるようです。これに関してもAAVSO discussionでちょっとコメントがあった
のですが、「新しい観測者も入ってこないし、単なる記録としての意味だけ」の
ような印象を持たれていた方もおられたようです。10年前とは価値がまったく変
わってきてしまっている、ということもあろうと思いますが、あるいはもしかす
るとディジタル時代への「変革」の1ステップなのかも知れません。
tkato
Return to Daisaku Nogami
vsnet-adm@kusastro.kyoto-u.ac.jp