[Message Prev][Message Next][Thread Prev][Thread Next][Message Index][Thread Index]

V Per



V  Per =Nova Per 1887       N          9.2p-18.5p

 星座の星をRから順に観測する人にとっては邪魔な存在である。 V Perなんて星
あったっけ?となる。実は前世紀の新星で、二重星団に近いところに出現している。
1887年の Harvard plateから Flemingが発見した。観測された最大光度は同年12月
19日の 9.2等だが、それ以前の記録がないので極大光度は不明である。一説による
と4等程度らしいが、はっきりしない。一応増光時のスペクトルは得られている。
最近Duerbeckらが極小のスペクトル撮影に成功した。星の多いところでVehrenberg
では同定できなかったので小城氏に期待したい。UW Perのついでに見るのもいいで
しょう。

「変光星」1989.06
・V Per(Nova Per 1887) は食のある激変星だった (Shafter and Abbott Ap.J.339,
L75,1989)

 V Per なんて言ってもなじみがないが前世紀の新星である。1887.11.3のHarvard
天文台の対物プリズムプレートから発見され、その時点では9.4等だった。スペク
トルからは極大をかなり過ぎたことが推測され、最大光度は4-5等だったであろう
と推定されている。

 1988年10月、McDonald天文台の2.1m+CCDで測光が行われた(610nm以下をカット
するフィルター付き)。その結果2.57時間毎に1.3等の食が捉えられた。食は11分
続く。ハンプは認められない。食の要素式は

 Min.JD.Hel = 2447445.9322 + 0.10712 E
       error              2         1

である。またスペクトル観測も行われた。バルマー輝線に加えてHeII4686,5411の
強い輝線が見られる(HeII4686はバルマーより強い)。UG型によく見られるHeI輝
線はあまり見えない。これはDQ Her型のように白色矮星がかなりの磁場を持ってい
ることを示唆し、偏光観測が望まれる。また食の光度曲線の形態(明るいaccretion 
diskを持つ)と合わせて質量移動率がかなり高いことが推測される。

 通常の period gap の説によれば、このような周期の激変星は質量移動率が小さ
いはずであるがV Perはそうではない。これは新星爆発によって伴星が加熱された
ためであろうと解釈される。(新星爆発前も同じ様な周期だったはずですが、その
時点では新星爆発の影響はないですよね。とすると爆発前は現在よりもずっと暗く
なくてはおかしいですね。観測はないでしょうか・・あるわけないですね)

 GQ Musにしてもこの星にしても、最近の新星に関する発見には驚くべきものがあ
ります。ApJのLetterに出すくらいですから発見者も驚いたのでしょう。