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V1974 Cyg



V1974 Cyg =Nova Cyg 1992    NA+E:   4.2-17.5v
 1992年2月19.07日、アメリカのCollinsが6.8等で眼視で発見。その後、19.54
6.0等、20.07 5.5等と増光した。

「変光星」1992.5
☆Nova Cygの周辺の暗い比較星の光度(加藤氏より)
Nova Cyg 1992         
                     N
   *144
        *139                *143   *135         *135
              o Nova              *145      *139
                                          *148
       *146               *138   *146
     *152                       *152
  
         *154
            *145                    *147
  
                                    *124
                   *100         *90    *154

(90) 星をもとに、相対測光を行いました
May 4.784 UT  CCD (V) 30s

920615
Nova Cyg 1992の光度曲線がここ1カ月以上8.5等付近で横ばいを続けているよ
うなのですが、かなりいい加減な想像ながら思い当たることがありました。この新
星は最近特に有名になりつつあるNeon nova(または O-Ne-Mg Nova)と言われる、
O-Ne-Mg白色矮星の表面で起こった新星爆発現象らしいことが明かになりつつある
ようです。これまでに知られているNeon novaは、Nova Her 1991,Nova Sgr 1991と
いった非常に減光の速い天体が多く、今回の新星との類似性があまり納得できなか
ったのですが、よく考えてみると比較的ゆっくりした減光を示した唯一のNeon nova
としてQU Vul(Nova Vul 1984-2 t3=40d)があります。この新星もそう言えば最初比
較的速く減光したものの、5等程度減光した時点でかなり停滞したように記憶して
います。あるいはこれが減光の遅いNeon novaの特徴なのかも知れません。光度曲線
を比較してみると面白いのではないかと思います。

ということで、渡辺 誠さん、新星の光度曲線集の発行、よろしく!

参考資料:S. Starfield et al., 1992, Ap. J.(Letter), 391, L71
 (Nova Her 1991とNova LMC 1990 No.1 を比較した論文です)

920616
 最初に報告された精測位置と電波観測の位置が合わないらしく、Conder Brow
ObservatoryのDenis Buczynskiによる位置の再測定の結果は次のように報告されて
います: RA 20h30m31.7s DEC +52 37'50.5"(2000)

これで爆発前の新星の探索は振り出しに戻るかも知れません。

920620
Nova Cyg 1992をVバンドと[OIII] (500.7nm)の狭域干渉フィルターで測光した結
果、詳しい測定結果はまだですが、Vバンドの光の半分はこの禁制線からなってい
ることがわかりました。光度変化が停滞しているのもこれで説明できそうです。望
遠鏡で見ると、もしかして緑色に見えませんか?

920622
比較星 SAO 9.0K (20h30m16.0s +525'20" 2000.0) との相対光度で
各バンドごと4点の平均です。誤差はいずれも +/-0.01等です。

   mid-UT        band   v-c
1992 Jun 21.634    V   -0.37
         21.636  5010  -2.39  (中央 501.0nm, 半値幅 11.0nm)
         21.640    B   -1.84
         21.642    I   -0.58

V,B はJohnson, I は Kron-Cousins system に近似しています。
この新星が [OIII] 500.7nm でいかに強く輝いているかわかります。