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V410 Cas



V410 Casは共生星型の新星か?
 V410 CasはGCVS4によればNL(新星類似の意味だろう)、1938年に
slow nova様のゆっくりとした増光を示した星、色は赤くない、となっていて、また
Bode and Evans 編纂の "Classical Novae"(1989)に集録されているN. Vogtによる
"Relationship of Classical Novae to other Eruptive Variables"のなか(この論
文はかなりいい加減な部分があったのであまり気にしてはいなかったのだけど)、
「共生星型新星」の表にこの星が挙がっていて、何だろうかと思っていたのですが、
近年また増光しているようです。

 IBVS3732によれば、Sternbeg天文台の1962-1990の409枚のプレートを調
査したところ、この星が1978年以前はB=17.5等であったのに、それ以降10年にわ
たってB=15.5等と明るい状態が続いていることが明かになりました。このような挙
動はV1329 Cyg, HM Sge, PU Vulといった共生星型新星に似ていて、にわかに注目
を集めそうです。またこの期間中1981-1982はB=16に小減光し、食ではないかとも書
かれています。40年の間隔で新星爆発が起こるものかよくわかりませんが、今回の
増光は1等増光するのに約200日を要しています。共生星型の反復新星なのでしょう
か?

 それで、星図を用意しようと思ったのですが、Hoffmeister(1967)の発見論文は
大学では欠番。確か以前人からもらったコピーで同定できなかったので困ったよう
な気がします。これはいよいよパロマー星図かCCD画像と比べなくてはいけない
かも知れません。

 一応GCVSからのデータ:
V410 Cas 00h20m39s +619' (1950.0) 15.5-18p type NL
文献:
Antipin, S.V., and Shugarov, S. Yu., 1992, IBVS No. 3732.
Hoffmeister, C., 1967, Astron. Nachr. 290, 43.
Vogt, N., 1989, in "Classical Novae" (Bode, M.F. and Evans, A. eds), p.225