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GO Com



 GO Com          UG             13.1-20p

銀河の極付近の青い天体をサーベイしていた、Usherらによって発見された。
その中で最も青い(U−B=−1.5)天体であったという。変光範囲が大きく
WZ Sgeタイプとも言われている。1988年に暗い極大がみられた。
パロマーでは増光中といわれる。

「変光星」1989.07
Abstract: GO Com, a possible WZ Sge type dwarf nova with rare outbursts, was
observed on May 30, 1989 at mv=13.2. This outburst was since one known in 
1977.

 IAUC No.2562 (1973 July 20) によればKowalはパロマー天文台で1977 July 1.213
UTに撮影したプレートから爆発型変光星を発見した。写真光度は15.0で、June 24に
は17.5等より暗かった。1957年以来122cmシュミットで撮られた写真には20等で写っ
ている。位置は12h54.3m +263'で、これはCSV1959=SVS382に一致する。この星は
BelyavskijがおそらくU Gem型でないかと述べていた(Perem.Zvezdy 4,234,1933)も
ので、変光範囲は13.1-(15である。

 この再発見によってこの変光星はGO Comと命名された。GCVSではUGSSになってい
るが根拠はない。

 一方Usherは銀河北極方向の暗い青い天体(白色矮星やクエーサー)のサーベイ
を行った(ApJ Sup 46,117,1981)。SA57の中のUS31と名付けた星が偶然にGO Comで
あったが、測光値はB=18.1 B-V=+0.4 U-B=-1.5で、U-Bの値は測光されたすべての
天体のうち最も青いものであった。光度はほぼ極小であることを示唆するが、それ
でもこのように青いことは伴星の光度が非常に暗い(軌道周期が短い)ことを意味
する。(UとBの撮影の間に変光したことも否定できないが)

 Vogt and BatesonはAsAp sup.の"Dwarf Nova Atlas"において変光範囲の大きい
こと、増光のまれなことからWZ Sgeタイプに分類しているが、その後特に注目され
ることはなかったようである。

 このようにGCVSには登録されているものの、増光の経過についてはほとんど何も
知られていない(Belyavskijのpaperは入手できないが、変光星登録されずにCSVに
入っていることから十分なデータはないものと思われる。お持ちの方は調べていた
だきたい)。

 筆者は1986年から観測を続けてきたが、今回やっと明確な増光を見ることができ
た。この増光は森山氏によっても独立にとらえられ、飯田・小城氏も確認をした。
当日の光度は13.2等程度という意見が多いが、星図の比較星が未定なので多少の誤
差はあるだろう。なお前日は14.5等以下というデータがある。翌日には明らかに急
激な減光を示し、14等より暗くなった。UGSUのノーマルであろうと思ってここで追
跡をやめてしまった人が多かったようだ。しかしさらに1日後、光度はやや持ち直
したように見えた。藤野氏がこの晩から記念写真を撮ったが、14等程度で数日間写
っていたとのことである。その後は悪天候のため観測はないが、もしこの星がVogt
らの言うようにWZ Sgeタイプであったならば今回の増光はsuperoutburstであった
可能性がある。

 今回は残念ながら十分な追跡がなされなかったが、極大は比較的容易に見ること
ができることが分かったので、今後も一層のモニターをしていただき、増光を見い
だした場合には直ちに連絡をお願いしたい。

「変光星」1990.12
GO Com: B=17.8 V=17.7 周期95分の変動があるようだが、flickeringかもしれない。
(注:増光情報は「変光星」No.128参照、またR-Vmax=4.2とUGSU/UGSSの境界領域)