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FY Aql and gamma-ray burster



FY Aql

「変光星」1990.03

・FY Aqlとガンマ線バースト源 GRBS 19790331について (Hudec, Bull.Astron.
Inst.Czechosl. 40,261,1989)                          −891107−

 ガンマ線バースト源 GRBS 19790331のerror boxについてはLarosら(1985)が発表
しているが、その中には既知の変光星FY Aqlが存在する。これはガンマ線バースト
源としては珍しいことである。LarosはFY Aqlは矮新星ではないかと述べているが、
ガンマ線バースト源との関係については不明であった。

 最近になって、FY AqlのCCD像が得られ(Hartmann and Pogge,1987,激変星星
図セット2に収録)、FY Aqlの周囲に淡い星雲が存在することが明かとなった。
FY Aqlの極大時に行われたスペクトル観測(星雲を含む)ではM4eIII型であり、反
射星雲に取り囲まれたミラ型であろうということになった。

 FY Aqlの正確な変光の様子を知るため、またGRBSとの関係を調べるため、Sonneberg
のアストログラフによる1928-1987の490枚のプレート(極限等級15-18)、スカイ
パトロールのプレート2534枚(極限等級9-14)を調査した。露出時間の合計はそれ
ぞれ559,2676時間である。

 その結果、FY Aqlは確かにミラ型の変光を示し、極大は次の式で与えられる。
Max=2445155+209.7E O-Cは30日以内である。FY AqlはB=15.1等の伴星を持ち、合成
等級(B)では変光範囲1.7等、単独では3等以上となった。Ludendorffの分類では光度
曲線はβ1あるいはβ2になる。しかし、1時間の間隔をおいて撮影されたプレート
で、0.7等の変光を示したこともあり、短時間変動を示すミラ型のようである。あ
るいはまだ発見されていない高温の伴星を持つ共生星なのかも知れず、星雲を伴う
点でR Aqr,W Aur,RR Telとの類似性が指摘されている(注:W Aurはそのような話
を聞いたことがないので、あるいはUV Aurの誤りか?) Flastによれば多くのミラ
型が高密度伴星を持っているようだが、恒星風の強い場合のみ共生星現象が見られ
るのであろうとのことである。極小光度における測光・スペクトル観測が望まれる。
中性子星の伴星を持っていれば都合がいい。

 そのほか、FY Aqlの近くに1962年7月26日(JD=2437872.468)撮影の写真に明る
く写っている像があり、GRBSに対応する可能性がある。位置は19h25m25.4s +035'38"
(1950.0)で、mpg=14.6である。1時間前及び2日後の写真ではmpg=15.5である。他
に増光しているプレートはなかった。その天体をパロマー星図で調査したが、特に
色はないようである。