今、ガンマ線バーストの残光が13等級台で見えています。
是非観測をお願いします。
座標はこちらです。
10 44 50.0, +21 31 18
(鳥居)
日本から観測しやすい位置で、とても明るいので、 今なら眼視でも見えそうですね。
ダイニック天究館60cm反射ノーフィルターCCDで現在撮像中です。
24時(日本時間)でおよそ14等で写っています。
天究館/高橋 進
高橋 進 様
GRB 030329 を観測して頂きましてどうもありがとうございます。
今回のようなチャンスは数年に1度も無いと思いますので、 是非可能な限り継続してデータを取得して頂ければと思います。
理研(埼玉県和光市)では、20 cm, 25 cm で継続して観測しています。
もし十分に明るくて、標準測光フィルタを使うことが可能であれば、 多色で撮られても良いのかも知れません。
ただ、対象はどんどん暗くなると思いますので、 フィルタの交換やピント調整に時間を取られるようでしたら、 このまま継続されるほうが良いかも知れません。
鳥居研一(vsnet-j 2533)
鳥居先生、アドバイスありがとうございます。
結局そのままで観測を続けていますが、2時間あまり 観測していて等級がほとんど変わりません。星間違いで はないかと不安になってくるくらいです。 GRB021004のプラトー と同様の現象でしょうか。ともかく薄明まで観測を 続けます。
高橋 進(vsnet-j 2534)
海外ですが、ついに眼視観測成功の報告がありました。日本で最良の条件だった と思いますが、本当に見られた方はおられませんか? CCDの導入の際ちらっと みた、とかだとちょっと記録としては弱いかも知れないですが、光度目測でも 残っていれば「人類史上初」になるかも知れません。
# Oht さんあたりがふと向けてみた、とかないかな (^^;
鳥居さん
上尾で、GRB030329のCCD観測を行ないましたので、お知らせします。
3月29日22:40〜25:00(JST)に撮像した50フレームほどの断続的な観測です。 彗星の観測中でしたが、鳥居さんの[vsnet-j 2529]を、22:32(JST)に受けて、 およそ約8分後から積分を開始できました。
3月30日21:30(JST)ごろの観測では、3月29日より3等ほど暗いですが、まだ 存在が確認できます。
なお、機材は、25cm反射+ST-9E(ノーフィルター)です。
===================================== Ken-ichi Kadota, Ageo, Saitama, Japan E-Mail: kenic-k@astroarts.co.jp(vsnet-j 2536)
門田様
観測して頂きましてどうもありがとうございました。 また、昨晩にも検出できたとのことで、すごいですね。
私も 20cm と 25cm で2晩目の観測にチャレンジしたのですが、 詳しくデータを見る前に風邪でダウンしてしまいました。
GCNサーキュラ 2020 によると 赤方偏移が z=0.1685 と求められたようで、 GRB 980425 に相関しているのではないかと考えられている 超新星 SN1998BW を除くと、最も近い距離で起きた ガンマ線バーストになるようです。
鳥居研一(vsnet-j 2538)
京都の画像から、以下のページを作りました (現在 server の問題で vsnet の URL name でしかつながりませんが、www の URL name でもそのうち復旧すると 思います)。# page は1昨日からありましたので、ご覧になられた方もあると 思いますが。
すでに問い合わせがあったかも知れませんが(^^;)、もしかしてこの時間帯に 長谷田さんの全天カメラは写真を撮っておられませんでしたでしょうか? 天の川が見える時間帯や方向からややずれているので、まだ準備中だったかも 知れませんが...
#そういえば、国内に全天自動監視カメラを運用しているところはありませんでした #でしょうか?(vsnet-j 2548)
伊藤智行さんという方が撮影されています。8等星くらいまで写っているよう です。
3月29日のしし座の画像もありました。但し、残念ながら、撮影時刻は 22:02:45です。鳥居さんや京大チームが撮影された後になります。
GRBの発生があと1時間強ほど遅れていれば、大成果になったところですが、 惜しいところでした。
当然ながら、写ってはいないようです。一応、結果は後で報告します。
-- 吉田 誠一 / Seiichi Yoshida comet@aerith.net(vsnet-j 2549)
吉田誠一様
貴重な情報を、どうもありがとうございます。
バーストは 3/29 の 20:37 (JST) ですが、それ以前に明るくなっていた可能 性も否定できませんので、 夕方に取られたデータがありましたら、 是非確認をお願いします。
今のところ、バーストの5.6時間前で12.8等より暗く(GCN 2009)、バーストの 数分前後で3.5等より暗い(GCN 2031)という上限値が報告されています。
鳥居研一(vsnet-j 2552)
残念ですが、しし座周辺は撮影エリアから外れています。
(撮影中心座標が 070000 +020000 で髪の毛座の赤軽で、髪の毛座β までしか 写っていませんでした)
長谷田勝美 e-mail: khaseda@mx1.tees.ne.jp
BBC で GRB 030329 関連の以下のニュースが出ています。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/2949735.stm http://news.bbc.co.uk/1/hi/technology/2950851.stm #昨日異常にアクセスが多くて、何かあったのかと思っていたらこういう状況の #ようです。(vsnet-j 2612)
ベランダから見えないからいいや、というわけで、 GRB00329の話題は追いかけてなかったので、 よく分からないんですが、 上記URLの2番目の方の記事、GRB030329にSN2003dhっていう、 超新星の名前が付いたんですか???
4月8日にbecame clearly visibleって?
BBCの記者が、何か勘違いしている?
mei/neko(vsnet-j 2613)
GRB に付随している(といっても分離して見えているわけではなくて、スペクトル 上で超新星のスペクトルが重なっている、という意味ですが)超新星に独立の 名前を付けた、ということでしょう。
スペクトルの特徴がはっきりみえてきた、という意味ですね。
GRB と SN の関連については、SN 1998bw の時から示唆されていましたが、 ようやく「疑いない少なくとも1例」が見つかった、といえるのでしょう。
#もっとも、超新星以外で超新星と区別できないスペクトルを生み出す種類の天体が #存在しないとは言えない、と言う人ももしかするといるかも知れないけど...しかし、今回の事実?をふまえると、星のコアの重力崩壊が起きたときに(星 の表面は超新星爆発に至っていない)、星をなんらかの手段で突き抜けて GRB の放射が先に見えた、ってことになるのかな?? 時間差的には微妙なので、 超新星爆発で星が吹き飛び始めたところで GRB が出ていても矛盾しないかも 知れませんが)。
# GRB とか 超新星爆発 とかに付ける日本語の動詞を何選ぶのか悩みますね(^^;
銀河系内でも、超新星爆発の時にたまたま観測者方向にビームが向いていれば、 ニュートリノバーストと同じようなころに、突然可視光で星が光ったようにみ えて(当然かなり続くだろうが)、その後に本当に超新星爆発が起きる、なん てこともあるかも (^^;)。
山岡@九大理 です。
>上記URLの2番目の方の記事、GRB030329にSN2003dhっていう、超新星の名前が >付いたんですか???そうです。残光のスペクトル(通常べき型の直線で特に輝線も吸収線もない-- もちろん母銀河内や手前の星間物質によるものは除いて)にのっかって、極超 新星のスペクトルが見えはじめた、という報告があり、それが確認されたこと で超新星名がつきました。
>4月8日にbecame clearly visibleって? >BBCの記者が、何か勘違いしている?CERNのpress releaseがそう書いてたから、うのみにしたんでしょう。
#残光がもっと暗ければもっと早く見えたに違いない(^^;)。
> >上記URLの2番目の方の記事、GRB030329にSN2003dhっていう、超新星の名前が > >付いたんですか??? > > そうです。残光のスペクトル(通常べき型の直線で特に輝線も吸収線もない-- > もちろん母銀河内や手前の星間物質によるものは除いて)にのっかって、極超 > 新星のスペクトルが見えはじめた、という報告があり、それが確認されたこと > で超新星名がつきました。この部分だけ読むと、いかにも GRB 030329 と呼ばれていたものに SN 2003dh という名前が付いた、のように読めてしまうので、ちょっと注意が必要かも 知れません。(実際に GRB 030329 = SN 2003dh と書いてあるページもあった りするのですが)
SN 2003dh の命名を伝える IAUC も、SN (hypernova) の発見を伝える原著記事 も、いずれも上記の点については慎重に扱っています。"supernova associated with GRB" か "supernova emerging from the afterglow" なので、SN の名称 は、残光中に現れてきた超新星成分を指すもの(といっても直接分離して測定 できるようなものでもないでしょうが)として定義されている(少なくとも 形式的には)、と考えておいてよいかと思います。GRB 030329 に正式名称が 付いて、それが SN 2003dh になった、あるいは注釈なしにイコールで結ぶよう なニュアンスの表現は避けておくのが正確でしょう。
補足すると、GRBの可視での明るさのうち、超新星寄与分はまだ数分の1程度で す。CERNの人たちはlight curveにも顕著に現われると予想してたけど、まだ そこまではいかない感じ。あとになって見て見ないと……。
> しかし、今回の事実?をふまえると、星のコアの重力崩壊が起きたときに(星 > の表面は超新星爆発に至っていない)、星をなんらかの手段で突き抜けて GRB > の放射が先に見えた、ってことになるのかな??NASAのpress releaseにそんなアニメーションがありましたね。
http://www.gsfc.nasa.gov/topstory/2003/0319hete.html
> 銀河系内でも、超新星爆発の時にたまたま観測者方向にビームが向いていれば、 > ニュートリノバーストと同じようなころに、突然可視光で星が光ったようにみ > えて(当然かなり続くだろうが)、その後に本当に超新星爆発が起きる、なん > てこともあるかも (^^;)。このアニメーションくらい非対称なら、重力波検出も望みがありますね。アン ドロメダの距離でも大丈夫かな。
> SN 2003dh の命名を伝える IAUC も、SN (hypernova) の発見を伝える原著記事 > も、いずれも上記の点については慎重に扱っています。"supernova associated > with GRB" か "supernova emerging from the afterglow" なので、SN の名称 > は、残光中に現れてきた超新星成分を指すもの(といっても直接分離して測定 > できるようなものでもないでしょうが)として定義されている(少なくとも > 形式的には)、と考えておいてよいかと思います。的確な補足をありがとうございます。ただ、"supernova associated with GRB"では、残光と超新星成分がごっちゃになってるような感じではあります。
#BBCのはあんまり正確じゃないな。"the gamma-ray burst occurred first #and the explosion of the star several days later"って?(vsnet-j 2618)
そのNASAのpageから、
These findings support the collapsar model, where the core of a massive star collapses into a black hole. The black hole's spin or magnetic fields may be acting like a slingshot, flinging material into the surrounding debris. Scientists calculated that GRB021004 originated from a star 15 times more massive than the Earth's sun.
GRB021004に関してどなたかが計算された結果の様ですが、
まるで見てきたようなアニメーションですね。
#いったい、どんなモデルを使って計算しているんでしょう?
ビームの幅からして、地球の方を向いている可能性は低いのでしょうし、 加えて、ブラックホールが残る重い星でないといけないとしたら、 銀河系内で起こる件数は少ないだろうから、 銀河系内で、何年に1回くらいチャンスがあるのでしょう?
mei/neko
GRB が何を指すか、表現上は多少幅をもってきているからなんでしょうね。 本来は GRB はガンマ線領域の現象を指していたのでしょうが、afterglow も GRB の名前で呼ぶようになったのでややこしい(^^;)。そういう意味では associated with (the) GRB が、原義にはより近いかも。
# その場合は GRB といきなり略しちゃいかんと言われそうだが (--;
> #BBCのはあんまり正確じゃないな。"the gamma-ray burst occurred first > #and the explosion of the star several days later"って?うん、まあこんなところなんでしょうね。image caption も何だかよくわかん ないし(英語の文脈通りに読むと、the explosion = supernova のことだろう から、saw と過去形になっているのは見た人がいる、ってことになるよねぇ)。
# ところで、explosion と core collapse とは同じと思っていい? あるいは # 観測的に受かるものを explosion と考える? なんて余計な疑問を与えない # ようにしたのかも知れないが (^^;もう1つの記事の方はもう少し正確かな。
> ビームの幅からして、地球の方を向いている可能性は低いのでしょうし、
幅については、まだ不定性が高いかと思います。もしかしたらビームが広いもの もあって、その場合は遠くにあると見えないだけ、という可能性もあるかも知れ ませんし。
#いろんな超新星であらゆる方向にビームが出てたりすると、何がなんだか、って #感じですが (^^; > 加えて、ブラックホールが残る重い星でないといけないとしたら、銀河系内で起こる > 件数は少ないだろうから、銀河系内で、何年に1回くらいチャンスがあるのでしょう?まあ、狭くビームされたやつで、1/100 ぐらいしかビームに入らないとすると、 1万年に1回ぐらい? (U Scoが 超新星になるのを待つより早いかも ^^;)
Date: Wed, 23 Apr 2003 08:40:51 +0900 From: "Vsolj User"明石市立天文科学館 井上毅です。Subject: アマチュアが撮影したGRB030329
明石市立天文科学館 の星の友の会の会員さんで田村竜一さんという方が その時刻に対角魚眼レンズで星野写真を撮影しています。
撮影時刻は 2003年 3月29日 21時28分から7分間露光 2003年 3月29日 21時35分から7分間露光 です。私の手元にはカラーネガをスキャナーで読み込んだ画像があります。 撮影されてている星で、もっとも暗いのは7等級程度ですが、 いずれも該当位置に天体は認められないように思えます。
ネガのチェックをすればもう少しくらい星が写っているかもしれません。 もし必要であれば画像を送ることが出来ますし、 撮影者ご本人も、必要であればネガを提供できるとのことですので 報告いたします。
(該当の画像をお持ちの方は,VSNETにもご一報いただけますとありがたい です.画像を送信いただく前に 画像送信/連絡手順 GRB全般情報 もご覧ください)
大西浩次@長野高専です。
2003年3月29日土曜日のしし座のビデオ・写真の募集について呼びかけをしています。
http://www.astroarts.co.jp/news/2003/04/02grb030329/index-j.shtml
朝日新聞4月19日東京版夕刊に記事
「夜空に光、ブラックホールの「産声」か」
http://www.asahi.com/science/update/0419/002.html
うっかり、vsnet-jの皆様の皆さんには連絡が遅れましてすみません。
もし、皆さんのなかで3月29−30日で「しし座付近」を撮影された方は 連絡ください。なお呼びかけ文は、下記のようになっています。 ================================================================= 2003年3月29日土曜日のしし座のビデオ・写真募集について呼びかけ人:大西浩次、鳥居研一、渡部潤一
3月29日の晩(JST)、過去最大級の「ガンマ線バースト」が起きました。「ガン マ線バースト」とは、数秒から数10秒の短時間に強いガンマ線を放射する宇宙 の遠方で起きる非常に強力な爆発現象で、その正体は発見から30年たった現在 でも謎のままです。最近、その発生直後に、ガンマ線だけでなく可視光での残 光(アフターグロー)があ ることがわかってきました。
3月29日20時37分14秒(日本時)に発生した「ガンマ線バーストGRB 030329」で は、その約73分後には位置が特定され、これまでで最も明るい13等星の残光が 観測されま した。その位置は、R.A.=10h44m50s Dec: +21d31'18" (J2000)で す。すなわち、しし座の背中にあたります。
ガンマ線バーストに伴う残光の減光の様子や最高光度は、ガンマ線バースト源 の環境、およびバーストの発生機構の解明に重要です。特に、バーストの直後 についてはいまだによくわかっていないため、非常に重要です。今回の「ガン マ線バーストGRB 030329」は、バースト直後は非常に明るかったのではないか と考えられています。粗い見積もりでは、3等級になったのではないかとも言 われています。もしかするとみなさんの、流星を狙って撮影したビデオや写真 に偶然、写っている可能性があるのです。この時間帯にしし座を撮影された方 は、ぜひご連絡していただけないでしょうか。
2003年3月29日20時より22時の2時間のうち、しし座の背中を含む星域を写真、 デジタルカメラ、ビデオ等で撮影された方はご連絡いただけないでしょうか。 おそらくバーストの数分後に最大等級になっていると想 像しますが、バース トの10分以上も前や後に最大級になっている可能性も否定できません。そのた め、20時より22時の2時間のうち少しでも撮影された方は、以下の情報をご連 絡いただきたいと思います。
<連絡いただきたい内容> ・ 撮影時刻 ・ 撮影領域 ・ カメラやレンズの種類(視野) ・ 限界等級(大体で良いです) <連絡先、連絡方法> 大西浩次(おおにしこうじ)氏までご連絡ください。 ・郵便番号381−8550 長野市徳間716 長野工業高等専門学校 ・ TEL&FAX: 026-295-7027 ・ e-mail: ohnishi@ge.nagano-nct.ac.jp <呼びかけ人> 大西浩次(おおにしこうじ)長野工業高等専門学校 TEL&FAX 026-295-7027 e-mail ohnishi@ge.nagano-nct.ac.jp 鳥居研一(とりい けんいち) 理化学研究所 e-mail torii@crab.riken.go.jp 渡部潤一(わたなべ じゅんいち) 国立天文台 ファックス:0422-34-3810 ======================================================================
観測方法の実際 (日本語:観測を考えておられる方はぜひお読みください)
GRB 030329(英語)
GRB 021004(日本語)
GRB 021004(英語)
Uemura, Makoto; Kato, Taichi; Ishioka, Ryoko; Yamaoka, Hitoshi
Discovery of a short plateau phase in the early evolution of a gamma-ray
burst afterglow
PASJ(日本天文学会誌)出版中
[VSNET
preprint]
[PDF]
Nature letter (T. Kato and H. Yamaoka が共著)
GRB 010222 (英語, 京都大学における日本国内初の残光検出)
GRB 990123(英語)
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